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今年7月1日より、衣類・靴類・帽子類、キッチン用品、スポーツ用品などの輸入の平均関税率が15.9%から7.1%に引き下げられた。スキンケア製品やコスメなどの化粧品、医薬品と健康用品の一部の平均関税率も8.4%が2.9%になった。
今年7月1日より、衣類・靴類・帽子類、キッチン用品、スポーツ用品などの輸入の平均関税率が15.9%から7.1%に引き下げられた。スキンケア製品やコスメなどの化粧品、医薬品と健康用品の一部の平均関税率も8.4%が2.9%になった。国務院は過去半年間で2回の関税引き下げを行ったことになる。業界関係者によると、関税引き下げは中国国内の消費バージョンアップの流れに合致するもので、消費を国内に還流させる上でプラスであり、消費を国内によりしっかりととどめることにもつながるという。「中国商報」が伝えた。
政策面での好材料という一大背景の下、ここ数年はグッチ、ルイ・ヴィトン、プラダといった主流ぜいたく品ブランドが中国市場への投資を加速させ、中国市場での収入のうち30%が若い消費者によることも明らかにした。
米コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーのシニアパートナーのダニエル・ジプサーはこのほど、「中国のぜいたく品消費者の年間消費額は5千億元(1元は約16.2円)を超え、世界のぜいたく品市場で約3分の1を占める。予測では、今年上半期の中国ぜいたく品産業の収入増加率は15%から20%になる」と述べた。
「2018年次世代ぜいたく品消費者洞察報告」によると、淘宝(タオバオ)システムでぜいたく品を購入するユーザー全体のうち、90後(1990年代生まれ)の若者が半数近くを占め、ぜいたく品取引の45%を担う。オンラインぜいたく品消費では、90年代が「後生畏るべし」といった活発な購買行動をみせる。
中国のぜいたく品消費者は他国に比べて若年化の傾向があることについて、業界関係者は、「これは生活環境や教育観と関係がある、特に20~34歳の若い世代の消費者は、小さい頃からぜいたくなブランド品を買う習慣を身につけ、ジュエリー、ファッション、化粧品、ハンドバックまで何でもぜいたく品でそろえてきた。購買頻度も高い」と述べた。
別の分析によると、中国の一線都市のハイエンド市場は飽和状態に近づいたため、ぜいたく品ブランドはこれから西安や成都といった二線都市、三線都市に事業を拡張する予定だ。
これと同時に、典型的なユーザークラスターである三線以下の都市の消費者が、徐々にぜいたく品消費の中心になっている。こうした消費者は裕福な家庭に生まれ、大都市で学んだ経験があり、消費バージョンアップの強い要望を抱く人が多い。世界と中国とのぜいたく品の価格差が徐々に縮まり、オンラインの通販プラットフォームでぜいたく品が充実してきたことから、オンラインルートは三線以下都市の消費者がぜいたく品を買う場合の主要ルートになりつつある。
データをみると、中国国内のぜいたく品販売店の80%は都市別国内総生産(GDP)番付で上位15位以内に入る都市にあるが、ぜいたく品を購入する富裕層のうち、こうした都市に暮らす人は25%に過ぎず、需給のバランスが取れていない。ぜいたく品ブランド側はオンラインプラットフォームの構築を急いで若い消費クラスターを取り込むことが焦眉の急だ。
今やブランド自身も、ECプラットフォームも、オンライン市場をめぐり壮絶な戦いを繰り広げる。ではぜいたく品はオンラインでも市場を獲得するだろうか。マッキンゼーが発表したレポート「デジタル・ダーウィニズム:適者生存のための破壊的思考法」によると、今や個人のぜいたく品(衣類・服飾品、靴、アクセサリー、ジュエリー、眼鏡)のオンライン購入額が世界のぜいたく品市場で8%の割合を占め、金額にして200億ユーロ(1ユーロは約128.2円)に達する。これは2009年の5倍の数字だ。25年にはさらに増え、740億ユーロに達するとみられる。言い換えれば、未来の世界ではぜいたく品売上高の5分の1かそれ以上がオンライン経由になるということだ。
オンラインでもオフラインでも、ここ2年ほどは中国でぜいたく品が好調で、ブランド側は中国市場への意欲をますます高めている。だが業界関係者は、「中国のぜいたく品消費者の成長の潜在力には限界があり、ぜいたく品ファッションブランドがこれからさらなる成長率を遂げようとすれば難しい挑戦に直面することは確実だ。中国の若年世代の消費者はファッション意識がますます成熟し、個性をより重視するようになっている。高級路線の知る人ぞ知るデザイナーのブランドが、伝統的ぜいたく品ブランドの市場でのポジションを脅かす存在になる可能性もある」との見方を示した。(編集KS)