「トランプ米大統領1期目内に非核化」、北朝鮮・金正恩委員長の時期言及、韓国メディアは実現に疑問符

Record China    2018年9月15日(土) 0時10分

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北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長は非核化の時期を「トランプ米大統領の1期目の任期内(2021年1月)」と明らかにした。金委員長が非核化の時期に言及したのは初めてだが、韓国メディアは実現に懐疑的な見方を強めている。写真は北朝鮮。

北朝鮮金正恩・朝鮮労働党委員長が非核化の時期について「トランプ米大統領の1期目の任期内(2021年1月)」との意向を明らかにした。金委員長が非核化のタイムテーブルに言及したのは初めてだが、韓国メディアは「実現可能か」などと懐疑的な見方を強めている。

聯合ニュースによると、金委員長は18~20日に平壌で開かれる3回目の南北首脳会談を前に韓国の文在寅大統領の特使として訪朝した鄭義溶・大統領府国家安保室長と会談。「(信頼関係に基づき)トランプ大統領の1期目任期内に、朝米の70年に及ぶ敵対の歴史を清算して関係を改善しながら、非核化を実現したい」と話したという。

この発言について、聯合ニュースは「検証や廃棄といった作業が伴う北朝鮮の非核化が実際に可能なのだろうか」と疑問視。「寧辺の核施設だけで390以上の建物が存在し、北朝鮮の核兵器は多ければ50程度と推定されている。このような北朝鮮の状況を考えれば、21年1月までの2年4カ月ですべての核施設と核弾頭、核物質などを廃棄し、隠された施設がないか検証するのは現実的に難しいというのが多くの専門家の見解だ」としている。

一方で「原状回復が難しいレベルで政治的な『完全な非核化』を宣言するのであれば、2年4カ月でも可能との見解も少なくない」と指摘。専門家の「どのような核廃棄かというのが問題だが、核施設を再び使うことができない程度にするのにはそれほど長い時間はかからない。核兵器を解体して海外に搬出するとともに、原子炉と再処理施設を『永久不能化』させ、ウラン濃縮施設を解体するのは1年以内でできる」との見方も紹介している。

朝鮮日報は発言の真意に疑問を投げ掛ける。「(金委員長の)言葉は特使団の公式発表文にも、北朝鮮の報道にも登場しない。鄭安保室長が報道陣の質問に答えて通りすがりに言ったことだが、数時間後には大統領府の報道官が『最も重要な部分なのに伝達がうまくいっていなかった』と説明した。『歴史的意味』を持つ中心的なメッセージを、こういう形で伝達する例があるのか。本当に金委員長の意思が込められている言葉なのか疑わざるを得ない」と不信感を募らせている。

中央日報は期限が21年1月なら、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)がかつて明かした「4月27日の南北首脳会談から1年以内の非核化」より1年9カ月延びる、と懸念。「米国としては北朝鮮が非核化の段階をさらに細かく増やすのではないかとの『サラミ戦術』を懸念する可能性がある」と米朝交渉の先行きを危ぶんでいる。(編集/日向)

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