中国とナウルの衝突、互いに引かず相手に「謝罪しろ」と応酬、中国側は「ナウルの背後に台湾」の見方

Record China    2018年9月7日(金) 10時0分

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中国と太平洋の島国、ナウルとの対立が激化し、互いに相手に「謝罪しろ」と応酬する事態になった。ナウルは中華民国との国交を維持している。中国側は「台湾が背後で糸を引いている」との考えを示唆した。

中国と太平洋の島国、ナウルとの対立が激化し、互いに相手に「謝罪しろ」と応酬する事態になった。ナウルは中華民国との国交を維持している。中国側は「台湾が背後で糸を引いている」との考えを示唆した。

ナウルと中国の対立が発生した舞台は、ナウルで3日から4日にかけて開催された太平洋諸島フォーラム(PIF)だった。同フォーラムのメンバーは太平洋の島国であるメラネシア、ポリネシア、ミクロネシアの各圏の16の国と地域とだ。中国は正規のメンバーではなく、対話パートナ18カ国の一つだ。

まず問題が発生したのは、杜起文特使を代表とする中国代表団のナウル入国時だった。ナウル側は中国とは外交関係がないので、中国側の外交官旅券は認められないと主張した。双方が妥協する形で中国代表団はナウルに入国したが、4日のフォーラム会場で「大波乱」が発生した。

杜特使が地球温暖化をテーマとする演説を始めたところ、議長であるナウルのバロン・ワガ大統領が、出席するメンバー国の指導者の発言を優先すべきとして、発言をやめるよう求めた。反発する杜特使と激しい応酬になり、杜特使は結局、退場した。杜特使はかなり興奮していたとされる。

ワガ大統領は、杜特使について「無礼だった」「(政府責任者でなく)政府関係者にすぎないのに」「中国は小国をいじめる」などと、中国側を強く非難した。

ワガ大統領は5日になり、中国特使の態度が常軌を逸していたとして、中国政府に謝罪を求めた。さらに「中国はわれわれ(太平洋の島国)の友人ではない。自らの目的のために、われわれを必要としているだけだ」「太平洋諸国やPIF加盟国、他のサンア国の首脳・閣僚を見下した。冗談ではない」「杜特使は閣僚ですらないのに、ツバル首相より先に発言しようとした。頭がおかしいのではないか」と強く非難した。

ワガ大統領は同問題について、「国連でも問題にする」「あらゆる国際会議で、この問題について述べる」などと発言した。

中国外交部の華報道官は6日の定例記者会見で、ナウルについて「拙劣な茶番劇を演じた」と批判。「ナウル側の関連する発言は事実にまったく合致せず、完全に白を黒と言いくるめるものだ」などと非難した。

さらに、「フォーラムのメンバー国の多くは失望した。反省して謝罪すべきはまさに、ナウル側だ」などと述べた。

太平洋の島国で、台湾と国交を維持しているのはナウル1国だ。他の国は中国と関係を構築している。中国はナウル以外の太平洋諸国に莫大(ばくだい)な援助をしているとされる。PIFをめぐる中国・ナウルの衝突でも、サモアがナウルを批判するなどの動きがあった。

華報道官は、「ナウルが演じているこの劇の舞台監督に言っておきたいことがある。一つの中国というとうとうたる歴史の流れに直面し、わけもなく騒ぎを起こし、自らをおとしめることをしてはならない」と述べた。

ナウルは太平洋南西部の島国。国土面積は21平方キロメートルで、バチカン、モナコに次いで世界で3番目に小さな国。2016年時点の人口は1万人で、バチカン、ニウエ、ツバルに次いで、世界で4番目に人口の少ない国。(翻訳・編集/如月隼人

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