石油会社2社が衝突=スコップやこん棒で乱闘、火炎びん投げるなどで負傷者発生、背景に中央と地方の対立―中国

配信日時:2018年9月3日(月) 23時20分
石油会社2社が衝突=100人がスコップや棒で乱闘、火炎びん投げる
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陝西省楡林市綏徳県内で8月31日から9月1日にかけて、石油会社2社の職員の衝突が発生した。2枚目の写真では、地面に倒れている人の姿も見える。延長石油の職員(赤い服)が長慶油田の施設を襲撃し、保安員(黒い服)が応戦したとみられる。
重慶晨報は2日、陝西省楡林市綏徳県内で8月31日から9月1日にかけて、中国石油天然気(CNPC)傘下の長慶油田と陝西省西安市に本社を置く延長石油集団の職員約100人が、石油採掘権をめぐって衝突し、火炎びんを投げ合うなどで負傷者が発生したと報じた。延長石油側が長慶油田の施設を襲撃し、保安員が応戦したとみられる。

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CNPCは中国中央政府が資産を保有するので、国有中央企業に分類される。一方の延長石油集団は1905に発足した中国で最も早く石油採掘を始めた会社で、現在は陝西省政府が資産を保有する。中国では地方政府の資産も「国有」とされるので、同社は国有地方企業に分類される。両社の争いについては「中央と地方の対立」との見方が出ている。

長慶油田によると7月以来、現地の油井4カ所で大小16回、双方が対峙する事態が発生している。延長石油の広報担当者は8月31日から9月1日の衝突について、長慶油田側の挑発行為が発端だったと主張。ただし具体的な状況については説明していない。同衝突では両社の職員が鉄製の大型スコップや木製のこん棒で殴りあった。火炎びんを投げる者もあり、4人が負傷。うち1人は重いやけどという。

綏徳県内の石油採掘権をめぐって両社は2007年には「全面衝突」の状態になっていた。2013年から14年にかけては資源探査場所で11回、生産現場である油井で9回の衝突が発生。15年には探査場所で15回、油井で40回の衝突が発生した。

衝突の激化には原油価格の下落により石油会社の経営が苦しくなったことも関係するとみられている。延長石油集団は15年、過去10年間で初めての赤字決算を記録した。衝突の背景にはさらに、中国国内の石油資源問題と、地方政府と中央企業の対立の構図があるという。

長慶油田の2013年における、石油ガス/天然ガスを含む原油換算の生産量は5000万トンを超え、同じくCNPC傘下の大慶油田の生産量を超えた。かつては石油産出量で中国最大だった大慶油田は資源の枯渇が目立つようになった。長慶油田はCNPCの傘下企業として、大慶油田の減少分を補うためにも増産に励まねばならない立場だ。

一方の延長石油集団の2013年における生産量は1254万トンで、その後も長慶油田に比べれば「劣勢」な状態が続いている。しかし陝西省政府には、何としてでも延長石油集団を育てねばならない事情がある。陝西省は中国国内でも貧困地域を多く抱えている。「貧困撲滅」は習近平政権が強調する重要な政策でもあり、陝西省当局としては同政策を推進するための財源を必要とするからだ。

長慶油田は国有中央企業の傘下であり、税金の大部分は中央政府に納める。一方、延長石油の税金の納付先は地元政府だ。さらに、両社とも地下資源の利用などに対して「補償金」の支払いが求められるが、陝西省政府に支払われる金額は長慶油田が原油1トン当たり80元(約1300円)、延長石油は580元(約9400円)だ。

延長石油の発展は陝西省当局にとって大きな助けになる。そのため資源探査や採掘の許可については、陝西省当局による延長石油に対する「露骨なひいき」もあるという。

中国メディアの界面によると、中国石油大学油気研究発展中心(石油ガス研究発展センター)の劉毅軍(リウ・イージュン)副主任は「このような税や費用の分担と現実の利益により、地方政府が示す傾向を理解することは難しくない」と述べた。中国語のニュアンスからは、劉副主任が陝西省当局のやりかたを「やむをえないこと」と肯定していると解釈できる。

中国では、中欧政権が思想面については地方当局に服従を求めるが、具体的な案件については地方に任せるという政治風土がある。一方で、地方のやり方が国全体の利益を損ねると中央が判断した場合「地方主義」と厳しく批判される場合もある。

陝西省の場合は石油業界をめぐり、中央企業と地方企業及び地方当局の対立構図が、現場での「武闘」を呼び起こしていると理解できる。(翻訳・編集/如月隼人
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