米・メキシコが自由貿易協定合意、日本車企業への影響は―中国メディア

人民網日本語版    2018年9月1日(土) 5時20分

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米通商代表部はこのほど、米国とメキシコが北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉で、基本原則に関する合意が成立したことを明らかにした。資料写真。

米国の通商代表部(USTR)はこのほど、米国とメキシコが北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉で、基本原則に関する合意が成立したことを明らかにした。北米地域は日本の自動車メーカーにとって最大の市場であり、今回の合意により日本車企業への経営圧力が一層大きくなることが予想される。経済参考報が伝えた。

自動車分野は米・メキシコの交渉の焦点だった。米メディアの報道によると、米国は自動車製造分野について、「4年以内に、北米地域で生産する自動車の部品の75%」を米国、メキシコ、カナダの3カ国いずれかで生産されたものとするよう求め、現行規定の62.5%から大幅に引き上げた。さらに米国は自動車部品の40-45%が時給16ドル以上の労働者によって生産されることを求めた。そうすれば製造業の現場が米国に回帰し、メキシコの安価な労働力という優位性を低下させることができる。メキシコの現在の平均時給は7ドルほどに過ぎず、米国の要求が通れば自動車メーカーの生産コストは大幅に増加することになる。

日系主要メーカーはすでにメキシコに工場を設立している。日産の投資規模が最も大きく、4つの工場があり、2017年の生産量は83万台に達し、このうちの半分が米国市場に輸出された。トヨタのメキシコ北部工場では主にピックアップトラック「タコマ」を生産し、17年は約10万台で、その大部分が米国で販売された。トヨタはメキシコ新工場を建設中で、計画では19年に生産を開始し、人気車種のカローラを生産して大部分を米国で販売するという。マツダはメキシコ工場を米国市場戦略の最重要拠点とし、今後はトヨタと協力して米国南東部のアラバマ州に新工場を共同建設し、21年に生産を開始する予定だ。

分析によると、米政府はメキシコの自動車生産コストを大幅に引き上げ、日系メーカーを含む各メーカーが生産拠点を米国へ移すことを願う。だが大手メーカーにとってみれば、供給チェーン、熟練労働者、生産能力、品質検査など各方面の課題をクリアしなければならず、短期間での米国移転は困難だ。北米地域生産の部品の割合を75%に引き上げることも、これまた非常に困難だ。

最新のデータによると、今年7月、日本の米国市場への自動車輸出額は前年同期比12.1%減少し、部品輸出額も同15.2%減少し、この月には日本の対米貿易黒字が同22.1%減と大幅に減少した。

世耕弘成経済産業大臣は、「メキシコに工場を設立した日系自動車メーカーは多く、経済産業省は今回の貿易の新たなルールが日系メーカーにどのような影響を与えるかにしっかり注目していく」と述べた。

日本と米国は9月に新貿易協議(FFR)を行う予定で、自動車分野が重要な議題に1つになるとみられる。米国は日本に圧力をかけて、日本に対する巨額の貿易赤字を削減したい考えだ。日本メディアの間では、日米の貿易協議において、米国の自動車に関する態度はますます強硬になり、日系メーカーは重大な挑戦に直面するとの見方が広がる。

リスクが増大し続ける米国市場に対し、日系メーカーは経営戦略の調整を始めており、中国市場への投資を拡大している。最近はトヨタが中国の広州汽車集団と協力して投資と生産能力の拡大を図ると発表した。日産も今後5年で対中投資を拡大し、工場を拡張して生産能力を高めるとともに、電気自動車(EV)の研究開発を強化するとしている。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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