消え行く食文化、香港のダイパイドンの屋台ごはん

フライメディア    2018年9月4日(火) 17時0分

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香港にはダイパイドンと呼ばれる屋外の屋台がある。

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香港にはダイパイドンと呼ばれる屋外の屋台がある。ダイパイドンというのは、昔発行されていたライセンス看板のことだが、そのままオープンエアの屋台の総称として利用されるようになった。

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ダイパイドンでは香港スタイルのローカルごはんが安く美味しく提供される上、昔ながらのオープンエアの屋台スタイルが香港の食文化を象徴されているとあって、地元の人のみならず観光客からも絶大な支持をされている。

ダイパイドンは香港の至るところに残っているが、今日ご紹介する写真は新界・沙田地区のローカル団地の中にある大型の有名店『陳根記』。18時の開店時間前から人が訪れ、19時を回る頃には人で溢れかえる。

17時半頃から席を取る人がちらほら集まり始める。19時を過ぎる頃には、香港中から人が集まり大混雑となる。食べている直ぐ横で次の客が席が空くのを待ち構えて立っている、という事は日常風景。

ダイパイドンにサービスはない。席を取るのも客が自分で行うし、混んでいる時間帯は相席は当たり前。屋外にあるので、冷房も中途半端。それでも人がここに集まるのは、やはり味と雰囲気、そして手軽でお値打ちである為と推測される。

ダイパイドンは小さな固定式屋台から大きなオープンエアスペースのものまで様々だが、厨房で作る料理の芳しい匂いや音、テーブルの狭い間を運ばれてくる料理と活気は何物にも変え難い日常の幸福を思い起こさせてくれる。

また、ダイパイドンには香港人が好きな食べものが溢れている。いわゆる香港ローカル食といわれるものを軽食からきちんとした料理まで食べることができるが、一番得意とされるものは炒め物系だと言われている。

そもそも台所が小さく蒸し暑い香港では、家庭で食事を作るより外で手軽に食べるほうが好まれる。また、中華料理特有の炒め物は大きな鍋で強い火力で作るのが美味しいといわれるので、自然と外の店へ足が向くのではないだろうか。

香港で好んで食べられる大蒜をたっぷりかけたエビの蒸し料理は、大蒜の臭いを気にする事もなく、好きなものを好きなだけ食べるのが香港流。 卵炒めや鶏肉のマリネ、香港人が大好きなローストグース、ビールはバケツに氷と共に入ってくるという大胆さ。ダイパイドンは正に、香港人の胃袋であると言っても過言ではない。

しかしこの胃袋、今は存続の危機に晒されている。衛生面の理由から今ではダイパイドンへ営業ライセンスが発行されなくなった為である。確かに冷房が効いて涼しく快適な屋内レストランと違い、簡単で質素な造りのオープンエアの屋台は衛生には気をつけなければならないが、香港人のソウルフードを提供し続けてきたダイパイドンがいずれなくなるのは残念でならない。香港人のDNAであるダイパイドン。ぜひ、今のうちに体験して頂きたい。(提供/フライメディア)

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※株式会社フライメディアは、映像制作を中心に、海外、主に中国、台湾、香港のリサーチ、撮影コーディネーションサービスをご提供している会社です。 本日御紹介した「香港消えゆく大牌檔」関連についてもっと知りたい方は、是非弊社のホームページをご覧頂き、お問い合わせください。

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