暑さで熱い避暑旅行市場、7-8月の観光客は10億人―中国

人民網日本語版    2018年8月23日(木) 2時50分

拡大

観光市場の需給状況をみると、今年は避暑旅行商品の選択肢が一層広がりをみせており、高齢者のますます多様化する旅行ニーズによりよく応えるため、多くの旅行会社が個人向けオーダーメイド旅行を打ち出すという動きもある。写真は中国の旅行者。

観光市場の需給状況をみると、今年は避暑旅行商品の選択肢が一層広がりをみせており、高齢者のますます多様化する旅行ニーズによりよく応えるため、多くの旅行会社が個人向けオーダーメイド旅行を打ち出すという動きもある。専門家は、「避暑旅行は涼しくて過ごしやすい気候であればいいというような単純なものではなく、より内容が豊富で、高い誘致力を備えた旅行商品、より質の高いサービスが求められている」と指摘する。

最近、多くの地域で高温の天気が続いており、暑い夏となった今年は避暑旅行市場が熱い。「涼しい場所ならどこへでも行く」という旅行者がますます増えている。

中国観光研究院などの機関が発表した「2018年避暑旅行ビッグデータ報告」は、「今年ののべ50億人を超えるとみられる中国の観光客のうち、7-8月に旅行する人はのべ10億人に上り、通年の観光客の5分の1に達する見込みだ。このうち避暑旅行が半数ののべ約5億人に上るとみられる。この数字が実現すれば中国は世界最大の避暑旅行市場になる」と予測する。

今年3月、国務院弁公庁が「全域観光発展促進に関する指導意見」の中で避暑旅行商品の開発に力を入れ、一連の避暑地の建設を推進する方針を打ち出した。避暑旅行は今や地方が開発拡大を進める価値があり、経済発展を牽引する注目点になりつつある。

■「ボイラー都市」住民に高い避暑旅行ニーズ

同報告によると、武漢重慶西安長沙、南昌といった暑い気候の「ボイラー都市」は、避暑旅行商品のオンライン予約の伸びが最も速く、増加率はなんと100%を超える。「旅行に行きたい」という人は82.1%に上り、避暑旅行市場のニーズがさらに高まりをみせる。

7月末までに、全国385都市の人々が旅行予約サイト・携程旅行網のアプリなどを利用して夏の各種旅行商品を予約した。このうち50%以上が避暑もできる目的地やレジャー商品を選択しており、目的地をタイプ分けすると主に海、山、草原、湿地・湖、都市周辺の農村となる。

ボイラー都市とは逆に、雲南省、貴州省甘粛省、青海省、山東省、内モンゴル自治区などは人気の避暑旅行先となっている。こうした地域には涼しい気候という優位性があるだけでなく、観光資源が豊富、交通輸送力がある、ホテルなどの受け入れ能力が高いといった優位性も備わる。

市場の供給状況をみると、今年は避暑旅行商品の選択肢が一層広がりをみせた。北京神船国際旅行者集団有限公司の関係者は、「夏シーズンは一年で旅行者が最も多く、価格が相対的に高い時期だ。南方は雨が多く、気候も暑いため、観光客は甘粛、内モンゴル、東北地域などの北方や北西地域への避暑旅行を選ぶ人が多い。こうした場所は観光ルートが成熟しており、旅行会社が豊富な商品の選択肢を用意している」と話す。

湖北大学農村観光研究センターの李志飛(リー・ジーフェイ)センター長は、「避暑旅行はここ数年の間に出てきた旅行スタイルだ。これまでは春や秋に散策に出かけたり、景色を見に行ったりする旅のスタイルに人気があったが、生活水準の向上にともなって、夏の避暑旅行が徐々に盛んになり、経済的価値も上昇した」との見方を示す。

中国観光研究院避暑旅行課題チームの総合的な予測によると、「夏の避暑旅行の3大主要層は高齢者、生徒・学生と教員、気温の高い都市の住民で、潜在的な有効避暑ニーズは人口にして約3億人。2017年の全国の1人当たり平均観光消費水準約1000元(約1万6000円)で計算すると、避暑旅行市場の規模は約3000億元(約4兆8000億円)になる。乗数効果を4~5倍とすると、目的地の都市に1兆2000億元~1兆5000億元(約19兆2000億~24兆円)ほどの総合的な経済面の寄与をもたらし、これが雇用や所得の伸びに転化する可能性がある」という。

■シルバー世帯の旅行がブームに

専門機関の調査によると、高齢者が避暑旅行市場の重要な主体だ。回答した高齢者の76.1%が「ぜひ避暑旅行に行きたい」と答え、40%以上が「団体ツアーを選択する」とし、団体ツアーが高齢者の真っ先に選ぶ旅行スタイルであることがわかった。次はフリーツアーで29.3%が選んだ。

高齢者のますます多様化する旅行ニーズによりよく応え、旅行の質を保障するため、多くの旅行会社が、「夏は特に個人向けオーダーメイド旅行をおすすめしている。高齢者にふさわしい路線や日程で旅行を組み立てることができる」としている。

避暑旅行をする人々の間では、家族旅行、近場の旅行がメインの選択肢になっている。取材に答えた北京市の洪さんは、「もうじき娘を連れて(北京市密雲区の)古北水鎮や(河北省承徳市の)承徳避暑山荘に行く予定。周りの人の話を聞いて、暑さが心配になり、もともとは人気都市の重慶に行く予定だったが、近場の旅行に切り替えた」と話した。

調査によると、回答者の51.2%が近場の旅行を選び、理由として、自分の住む地域や周辺の省・自治区・直轄市にも避暑や納涼ができる場所がいろいろあること、サラリーマンのパパ・ママなら休暇を取らないで週末だけで子どもと避暑旅行に出かけられることを挙げた。2~4時間ほど車を運転すれば到着するドライブツアー商品が子どものいる家庭に特に人気がある。携程の近場ツアーのプラットフォームで人気の観光地とホテルを組み合わせた避暑路線の予約増加率は50%を超えており、特に避暑に適したレジャーホテルと水上公園、リフティングなどのウォータースポーツ、ビーチ、歴史都市や農村とを組み合わせた商品、親子向けの特別サービスがある商品の人気が高い。

李センター長は、「避暑旅行における高齢者シルバー族の消費水準はそれほど高くないが、滞在時間が長いという特徴がある。家族旅行は滞在時間は短いが、避暑と同時に、観光やレジャーの体験をより重視する傾向があり、1人当たり平均消費水準が相対的に高い。そこで避暑旅行の目的地や旅行会社はこの2つの市場に焦点を合わせ、より方向性を絞った深みのある旅行商品を打ち出して、それぞれの市場ニーズに対応していかなくてはならない」と述べる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

noteに華流エンタメ情報を配信中!詳しくはこちら


   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携