普及版ブランドで若者の取り込みはかる老舗

人民網日本語版    2018年8月21日(火) 13時0分

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最近、老舗で若い人々を取り込むため、「青春の息吹」に満ちた一連の普及版ブランド(小号)を試験的に打ち出すところが出てきた。

最近、老舗で若い人々を取り込むため、若者の好みに合わせた一連の普及版ブランドを試験的に打ち出すところが出てきた。商品、サービス、体験をそれぞれ調整し、現代のショッピングの主流から外れ年配層に固執する古くさいイメージからの脱却をはかろうとしている。「北京日報」が伝えた。

▽稲香村の「稲田日記」がショッピングセンターに登場

北京三環路近くの愛琴海ショッピングセンターの5階に、老舗菓子店・北京稲香村の普及版ショップ「稲田日記」第1号店が登場した。この店の商品、サービス、店構えには稲香村のような伝統的風格はない。稲香村の関連部門責任者は、「稲田日記の位置づけは新しい中国式スイーツ店で、スイーツの販売、スイーツ作り体験、カフェ、レストランなどさまざまな機能が集まっている」と話す。

北京市民にとって稲香村の店といえば、ほとんどがコミュニティの近くにあり、店構えは簡素、商品の外観はさらに簡素というイメージだ。南方出身の芸さんは、「杭州上海の老舗のスイーツに比べ、稲香村のお菓子は味は悪くないのに、見た目に魅力がないし、人に贈ろうとしてもきれいなパッケージが用意されていない」と話す。

北京では外から来た人が人口の3分の1を占めるようになり、若い人々の舌はどんどん肥えている。こうした変化を目の前にして、老舗は古いものを取捨選択して新しいものを打ち出す必要に迫られている。稲田日記は稲香村が時代の潮流に従おうとして努力して打ち出した新しい試みだ。芸さんによると、「稲田日記のスイーツは形状やスタイルでこれまでの伝統を覆し、花や雪の結晶などの斬新な形のものもあれば、ニコニコマークがついているものもある。この店は稲香村と若い人との距離を一気に近づけた。お茶や冷たい飲み物もあるし、オーガニックの紅茶に緑茶に白茶、目の前で作ってくれるオリジナル酸梅湯(梅ジュース)は特に人気がある」という。

▽東来順の「涮局」は小売業態を模索

今年4月、火鍋レストラン「涮局」が北京居然之家の麗沢橋店に第1号店をオープンした。「庶民的で、味もいいし、肉も柔らかい」というのが、利用した王さんの感想だ。この店が老舗しゃぶしゃぶ店「東来順」の普及版だとはまったく気づかなかったという。

東来順が今年打ち出した普及版火鍋ブランド・涮局は、25~35歳の若い消費者をターゲットにし、客単価を60元(約969円)と見込む。ブランドの最高経営責任者(CEO)を務める張継衡さんは、「伝統ある東来順は利用者の年齢では35歳以上が多く、改まった食事やビジネスの宴会に偏るきらいがある。『涮局』は若年化の方向で、カジュアルレストランを目指す」と話す。

涮局は人気向上をはかり、このほど新小売スーパー・盒馬鮮生と連携し始めた。今後は火鍋の加工品を盒馬鮮生チャンネルで販売し、宅配もする予定だ。

▽老舗の今風な事業展開にはリスクも

老舗が今風の普及版ブランドを打ち出すことは、リスクが比較的少ない革新的試みであり、昔からの顧客を失わずに済むと同時に、若い消費者を取り込み、ブランドの文化を次世代に伝えることにもなる。北京市商業企業管理協会の高以道顧問は、「巨大な若者の消費市場はチャンスだ。老舗がチャンスをつかまえられるかどうかが注目される」と話す。

だが激しい競争の中での老舗のこうした動きは、熱意は素晴らしいが、市場に真に認められるのはそれほど容易ではない。

高顧問は、「老舗が普及版ブランドを打ち出すリスクは、若い人たちの消費の注目点と問題点を着実につかまえられるかどうかにかかっている。国有企業の経営における体制上、メカニズム上の制約が、市場化の拡大発展を妨げるということもある」と分析する。食品産業アナリストの朱丹蓬さんも、「老舗は普及版ブランドを打ち出しても、老舗国有企業としての風格や理念を失ってはならない。商品の革新、バージョンアップ、普及推進などで大いに努力しなければならない」との見方を示す。(編集KS)

人民網日本語版」2018年8月20日

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