夏に出国金融がバージョンアップ モバイル決済も発展

人民網日本語版    2018年8月18日(土) 5時0分

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目下、夏の海外旅行シーズンを迎えている。中国人観光客の巨大な消費の潜在力を前にして、多くの銀行は中国人の出国にともなって発生する海外金融サービス「出国金融」のバージョンアップを加速させている。

目下、夏の海外旅行シーズンを迎えている。中国人観光客の巨大な消費の潜在力を前にして、多くの銀行は中国人の出国にともなって発生する海外金融サービス「出国金融」のバージョンアップを加速させている。これと同時に、中国銀聯や支付宝(アリペイ)などが海外企業との提携に次々力を入れるようになり、モバイル決済業務の発展を推進している。新華社が伝えた。

ここ数年来、中国の出国者数が増加を続けており、今年上半期の大陸部の出国者数はのべ7794万1千人に達して前年同期比14.1%増加した、中国観光研究院と携程旅行網のビッグデータ共同実験室が共同で発表した報告によると、今年は7月と8月だけで海外旅行者が3千万人に達する見込みという。

海外旅行者数が急速に増加すると同時に、海外での支出も目立って増加した。関連の報告によると、2017年には中国人観光客の国際観光支出が前年比5%増加し、一人あたり平均は約3300ドル(1ドルは約110.9円)に達した。海外での消費は金融サービスと切り離せないもので、従来型金融機関と新興金融機関はどちらも海外旅行に潜む商機をじっと見定め、越境金融サービスのバージョンアップを続ける。

査証(ビザ)の手続きは海外旅行の第一歩だ。そこで多くの銀行がビザ手続き代行市場に狙いを定め、これを土台にして出国金融業務を牽引しようとしている。今年の夏シーズンに先立って、中信銀行は在中国英国大使館と提携を結び、英国ビザの申請者に向けてオンライン指紋採取、申請用紙の受理などのサービスを始めた。17年に英国を留学や観光で訪れた中国人はのべ60万人に達し、同銀行はその背後にある巨大な小売市場を見据える。

同銀行リテール業務部門の呂天貴代表は、「近年、リテール業務が徐々に銀行業が力を入れる主戦場になっており、出国金融が重要なブレークスルーポイントになった。海外旅行市場では旅行者数がものすごい勢いで増加しており、そこで発生した資金需要、ビザ需要、両替需要、保険需要などが出国金融市場の前途を洋々たるものにしている」と説明する。

夏休みシーズンに、中国工商銀行や中国銀行などの銀行も海外での現金引き出し、通貨両替などの手数料の優遇サービスを打ち出し、光大銀行、中信銀行はクレジットカードでの海外消費の権利保護や海外旅行保険を競争の重点に据える。ますます多くの銀行が海外消費の顧客を細分化し、消費シーンの拡大をはかり、旅行会社、レンタカー会社、航空会社、ホテルなどの旅行関連企業と協力を展開し、金融サービスのバージョンアップを進めている。

中国銀聯がこのほど発表したデータによると、今年1~7月には海外の主要オンライン旅行予約サイトでの銀聯カードによる取引件数が前年同期の4倍以上に増えた。海外の航空会社で公式サイトが銀聯カードに対応するようになったところは69社を数える。

注目されるのは、今年の海外モバイル決済の普及レベルが予想を上回ることで、これは中国の決済機関が海外業務の開拓を積極的に進めることと密接に関連する。

アント・フィナンシャル国際事業部門の陳嘉轍代表は、「サッカーのワールドカップという追い風を受けて、ロシアでは夏シーズンの支付宝取引件数が75倍も増加した。夏休みシーズンの支付宝取引件数の増加ペースが速い国は欧州地域とオセアニア地域に多い。遠距離でハイレベルの旅を選ぶ中国人観光客が増加を続け、これにともなって欧州とオセアニアの企業のモバイル決済への関心も高まりをみせる。同シーズンにはカナダでの支付宝取引件数も12倍増加し、オーストラリアは6倍増加、ニュージーランドは7倍増加、フィンランドは5倍増加した」と説明する。

ここ数年、支付宝や財付通(テンペイ)などの第三者決済サービスの海外進出が加速し、協力展開の範囲が東南アジアから欧米諸国へ広がってきる。支付宝は現在、約40カ国・地域で企業数十万社と提携し、このうち9カ国・地域では現地ブランドと協力して現地で利用できるローカルウォレットサービスを打ち出した。財付通の微信支付(WeChatペイ)が使える国・地域は40カ所に増え、人民元を含む13種類の通貨で直接決済が行えるほか、マレーシアでは決済業務の許可証を取得した。

また中国人の海外旅行における硬直的需要といえる「税還付」をめぐり、複数の機関が積極的にサービス向上をはかり、現金による税金の還付では時間がかかり、両替の手間もかかるという問題を解決した。

現在、44カ国・地域の企業30万社あまりが銀聯カードによる税還付に対応しており、カード保有者は14カ国・地域で購入と同時に還付が終了する「現場還付」も体験できる。微信(WeChat)の小程序(ミニプログラム)が打ち出す「騰訊退税通」は海外でのリアルタイム還付を実現し、サービスのカバー範囲は韓国、ドイツ、イタリアなど26カ国・地域の空港77カ所だ。

欧州の88カ所の空港が携帯電話による税還付サービスをスタートすると、夏シーズンに支付宝を利用した人の平均税還付額は1千元(1元は約16.1円)に迫った。陳代表は、「リアルタイム振り込みが実現し、観光客が外貨でなく人民元で還付を受けられるようになったので、80後(1980年代生まれ)と90後(1990年代生まれ)の半分がこの方法を選ぶようになった」と話す。

各金融機関が夏に出国金融業務で競い合いをする中、最大の受益者はなんといっても中国人観光客だ。出国金融サービスがますます充実し、海外モバイル決済が徐々に普及するのにともない、「思い立ったらその時に」式の旅行がより身近なものになってきた。(編集KS)

人民網日本語版」2018年8月17日

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