介護ロボットに力入れる日本、開発応用にはさまざまな壁―中国メディア

人民網日本語版    2018年8月15日(水) 8時50分

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日本は年金制度や介護保険制度の一層の充実を図る一方で、介護ロボットやスマート介護設備の研究を積極的に進め、実用化や普及に向けた一連の問題の検討を行っている。写真は日本の高齢者。

厚生労働省が発表した人口動態統計によると、2017年9月末現在、日本では65歳以上の高齢者が人口の27.7%を占め、そのうち半分は一人暮らしだという。こうした背景の下、日本は年金制度や介護保険制度の一層の充実を図る一方で、介護ロボットやスマート介護設備の研究を積極的に進め、実用化や普及に向けた一連の問題の検討を行っている。「環球」誌が伝えた。

同省は公益財団法人テクノエイド協会に委託して福祉用具・介護ロボット実用化支援事業を実施するとともに、11年からは「介護ロボット導入活用事例集」を毎年発表して、商品化された介護ロボットや老人ホーム・介護施設などでのロボット導入状況を紹介してきた。

最新版の17年版事例集では、企業20社が開発した介護ロボット20種類が紹介された。このうち移乗介助機器が4種類、排泄支援機器が2種類、見守り支援機器が6種類、コミュニケーションロボットが2種類、認知症(アルツハイマー病)ケアロボットが3種類、服薬支援ロボットと嚥下に特化した介護ロボットと自動値上がり支援ベッドがそれぞれ1種類ずつある。どの種類も導入したホーム・施設は4~5社で各地に分散しており、導入数も多くない。

16年版事例集と比べてすぐにわかることは、17年も16年も紹介するロボットはほとんど同じで、ごく一部がバージョンアップしたにとどまり、導入したホーム・施設はすべて新設されたところだということだ。つまり日本の介護ロボットは研究開発ペースも商品化のペースも速くないということだ。高齢化の進行と介護人材の不足にともない、導入するホーム・施設は増えてはいるが、選択肢はまだそれほど多くない。

日本の介護ロボットの研究は絶えず進歩しているとはいえ、藤田保健衛生大学ロボティックスマートホーム・活動支援機器研究実証センターの田辺茂雄准教授によると、「現在の介護ロボットの研究開発では解決すべき課題や難点がまだたくさんある。高齢者の活動や支持への対応には限界があり、導入する場所にはいろいろな制約がある。たとえばトヨタと協力して開発したロボティクススマートホームは少なくとも75平方メートルの空間が必要で、レール設置のため天井は一般的な住宅よりも高さが求められる」という。

日本経済新聞の元編集委員で経済問題専門家の山形健司さんは、「介護という仕事の性質を考えると、介護ロボットの研究開発と応用には大きな困難が横たわるといえる。介護される側のニーズは千差万別で、1台のロボットでさまざまなニーズに応えるのは非常に困難だ」と話す。

介護施設の運営で10数年のキャリアがあり、現在は関西地方で老人ホーム40~50カ所を経営する日本企業の上層部が話したところによると、「高齢者と患者に対する介護サービスは一般客が利用するホテルのサービスとはまったく性質を異にするものだ。介護される側が満足し、理想とするサービスを提供することは難しい。その最も重要な原因は介護者のレベル向上が難しいことで、ホテルのように厳しい研修を経ればサービスが身につくというものではない。被介護者一人一人の状況はすべて異なり、一口に腰痛といっても、状況はそれぞれ違う。そこで、やはり人の手を借りる方が早いということになる」と話す。

山形さんは、「介護ロボットと介護機器は今はまだ重くて操作が難しい。現時点で介護産業の従事者は低収入の非正規雇用が多く、教育レベルも低い(看護師の資格を持たない)。こうした人々が機器の使用に熟練するには、訓練と時間が必要だ。よって機器を開発する際にまず考慮しなければならないのは、介護する人が使いやすいかどうかという点だ。開発企業と介護サービス提供機関は積極的に協力・コミュニケーションを図り、介護ロボットの構想段階から開発プロセスまで、すべての過程において一線で働く人々の意見を聴取する必要がある。また、介護ロボットの細やかな技術指導システムを構築することも必要で、そのためには国が各段階で支援を提供することが必要になる」と話す。

また山形さんは、「介護ロボットは価格が高すぎる。現在の日本の政府や地方自治体からの補助金は限定的で、ロボット導入には資金面でのカベが立ちはだかる」と指摘する。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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