<在日中国人のブログ>日本に来て驚いたこと「生で食べられるなんて」

黄 文葦    2018年8月15日(水) 18時20分

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「黄さんは家でどんな中華料理を作りますか」と日本人に聞かれることがある。「中華料理でもないし、日本料理でもない、実は無国籍料理を作っています」こんな曖昧な回答だと、相手を当惑させるかもしれない。資料写真。

「黄さんは家でどんな中華料理を作りますか」と日本人に聞かれることがある。「中華料理でもないし、日本料理でもない、実は無国籍料理を作っています」こんな曖昧な回答だと、相手を当惑させるかもしれない。

中国人なので中華料理を作るのが当然だと思うかもしれないが、実は私は日本に来てから、普段の食事は「中華」にこだわらなくなった。日本料理、洋食、そして無国籍料理なども食卓に並ぶようになったのだ。日本料理・中華料理の作り方を比べてみることで、食文化の相違を垣間見ることができる。そうした発見は暮らしの中の一種の楽しみである。

例えば、卵を使った家庭料理というと、中国では「卵とトマトの炒め物」、日本では「卵焼き」がポピュラーである。「卵とトマトの炒め物」は強火で作り、卵とトマトの相性がいい。色は鮮やかで、食欲を誘う。ただ、炒め物なので油っぽさが難点だ。一方の「卵焼き」は弱火で作られる。カタチはシンプルだけれども、作り方は丁寧・繊細である。使用する調味料も少なくあっさりしている。とはいえ、並べ方にまでこだわった立派なおかずである。「卵とトマトの炒め物」と「卵焼き」、同じ卵を使った家庭料理でも個性がぜんぜん違っている。卵料理からみる日中両国の食文化の特徴は、一目瞭然である。

私は日本のさまざまな卵料理が大好きだ。日本に来たばかりの時に驚いたことの一つは、卵を生で食べられること。卵かけごはん、しょうゆを数滴たらしただけで、なぜそんなにおいしくなるのだろうか。また、茶わん蒸しの見た目は芸術品そのもの。もう一つ日本的な卵料理であるオムライスは「和魂洋才」によって生み出されたものかもしれない。一見洋風だけれども、「和の精神」がにじみ出ている。

中華料理を作ることはあまりないが、「中華」のアイデアを日本料理に入れることはよくある。ちなみに、中国の南方の広東省・福建省には、手間をかけてスープを作る食文化がある。私は福建省出身なので、スープに育てられてきたと思う。それらのスープは濃厚な味が特徴的である。

日本に来ても、私の体に染みついた「スープ文化」がなくなることはない。日本のスープといえば、みそ汁が代表的である。みそ汁は庶民的で親しみがあるだけではなく、食材の味を包み込むような包容力を持っている。私はこれまでさまざまな種類のみそ汁を試みてきた。みそ汁に中華の食材を入れることもある。例えば、中国の南方の有名な料理、魚の頭と豆腐で作るスープ「魚頭豆腐湯」をアレンジし、鯛あらと豆腐でみそ汁をよく作っている。個人的には、中華食材の黒クラゲ・クコの実・ナツメをみそ汁に加えるとさらにおいしくなると思う。しかも、色とりどりの食材がみそ汁のお椀の中で浮いたり沈んだりする様子は面白い。

私は日々みそ汁に感謝しながら作っている。みそ汁に中華食材を入れることで、日本料理・中華料理が繋がる気がする。日本料理と中華料理の融合から、日本と中国の間に生きる人間として日々視野を広げて行くとともに、私と同じような境遇の人の食卓が、多文化が共生した食卓になってほしいという考えを持つようになった。

■筆者プロフィール:黄 文葦

在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。

■筆者プロフィール:黄 文葦 在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。 Facebookはこちら 「黄文葦の日中楽話」の登録はこちらから

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