賃貸市場のニーズ・賃料が大幅上昇、背景に資源不足など―中国

人民網日本語版    2018年8月15日(水) 21時0分

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今年7月以降、全国の住宅賃貸市場は全体として安定した状態を維持し、一部の都市では賃料の上昇が目立ち、特に一線都市でその傾向が顕著だという。

ラジオ放送・経済之声の経済番組「天下財経」によると、毎年第3四半期は、卒業シーズン、就職シーズン、新学期シーズンなどの要因が重なり合って、不動産賃貸ニーズが大幅に上昇し、賃料も往々にして上昇する。今年7月以降、全国の住宅賃貸市場は全体として安定した状態を維持し、一部の都市では賃料の上昇が目立ち、特に一線都市でその傾向が顕著だという。

■不動産資源が不足、一線都市の賃料がとりわけ上昇

関連機関がまとめた賃料データによると、一線都市では北京、上海深センの3都市が前期比上昇し、上昇率は順に2.4%、2.1%、3.1%だった。それほど高い上昇率とは思われないが、実感はこれとはまた別だ。北京の不動産仲介業者の話によると、「現在の不動産賃料は全体として前年同期比10%以上上昇し、特に五環路や六環路に近い物件は、面積の大小にかかわらず、500元(約8000円)、1000元(約1万6000円)と上昇したところが多い」と話す。

上海と深センの状況もこれに似ている。深セン市福田区では、2カ月までには月に3000元(約4万8000円)も出せば1LDKの部屋は見つかったが、今では難しいという。現地の仲介業者は、「中心部から遠い宝安区や竜崗区でも賃料は値上がりしている。1物件あたりここ2カ月で大体200元から300元ほど値上がりし、3LDKや4LDKだと500元以上値上がりした。今は夏休みシーズンで、不動産資源は不足し、不動産市場は繁忙期を迎え、卒業を迎えている学生たちインターシップのため大勢深センにやって来ることを受けている」と説明する。

■卒業シーズンや不動産市場の硬直的需要が賃貸市場に影響

統計データでは不動産賃貸市場が下降気味の広州でも、かつて不人気だったエリアの物件をめぐって今では争奪戦が繰り広げられ、賃料も上昇している。教育コンサルタント会社・合碩教育諮詢公司の郭毅チーフアナリストは、「卒業シーズンの後押しだけでなく、一線都市の賃料上昇には他の要因もある。不動産購入資格の制限もあれば、支払い能力の限界もあって、大勢の人が賃貸市場で住宅ニーズ(硬直的需要)を満たすようになった。こうして賃貸市場のニーズが大幅に上昇し、賃料が全体として小幅に上昇する局面が出現した」との見方を示す。

統計によると、一線都市で2017年に大学を卒業した人の初任給は平均5000元、人材募集が多いいくつかの職種のうち、宅配便の配達員の平均月収は6000元前後、運転手と調理師は5000元以下だ。北京のような大都市では、平均賃料が5000元に迫り、ルームシェアや1ルームでも2000~3000元かそれ以上で、新卒者は収入のうち半分以上を家賃に回さねばならず、生活の質(QOL)は著しく低下する。

賃貸と購入がともに奨励される現在の状況の中、各地方は次々に政策を打ち出し、賃貸市場の規範化を進め、住宅の供給、市場の規範、賃料への補助など各方面に目配りする。専門家は、「現在の重点都市の賃貸市場に存在する主な問題は供給不足だ。賃貸住宅用地の供給を増やして、賃貸資源の供給を着実に増やすことが必要だ」と指摘する。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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