杭州湾を中心に大経済区を建設、交通インフラ建設だけで16兆円以上を投資

Record China    2018年8月7日(火) 20時50分

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浙江省政府は杭州湾を中心とする地域で大規模開発を実施する。交通インフラ建設だけで総投資額は約1兆元(約16兆2800億円)を超える。写真は浙江省内の高速道路。

中国メディアの21世紀経済報道は7日、浙江省が杭州湾を中心とする地域の大規模開発の計画をまとめたと報じた。交通インフラ建設だけで約1兆元(約16兆2800億円)を投じる予定だ。

開発対象地域は浙江大湾区と呼ばれる。浙江省発展改革委員会の謝暁波報道官によると、「エコ・スマート・調和・美麗なる世界クラスの現代化大湾区」を総体目標として、「中国全国における現代化建設の先行区」「全世界におけるデジタル経済のイノベーション新高地」「区域の高品質発展の新エンジン」を実現させる。

計画の推進に当たっては、産業、イノベーション、都市、交通、開放、エコの6重点分野それぞれで建設を進める。うち交通分野では、レベルの高いネットワーク、世界クラスの港湾群、全世界への玄関となる空港群、スマート交通施設などを出現させる。

そのために、今後5年間に計70件の交通インフラ建設プロジェクトを進める。総投資額は約1兆元(約16兆2800億円)で、5年間で7500億元(約12兆2000億円)を投じる。2018年内に重要プロジェクト44件に着手する。

浙江省発展改革研究所の卓勇良所長は浙江大湾区の建設について、交通関連などのインフラ建設から着手する必要があると説明。その上で、対象地域にある都市間の分業と協力のシステムを形成させ、さらに対外開放のレベルも引き上げていくとの考えを示した。

中国科学院科技戦略諮詢研究院(科技戦略諮問研究院)などがこれまでにまとめたリポートは、浙江大湾区の現状には三つの問題があると指摘。「世界一流の科学研究機構の欠如や科学技術関連のインフラ不足」「世界一流の大学などの欠如」「世界レベルの産業イノベーションの担い手が少なく、地域内の産業は依然として紡績業などの伝統専業に集中」だ。

卓所長は、浙江大湾区の建設で、将来的に鍵となるのは科学技術のイノベーションと説明。該当地域について、経済がすでに一定の規模に達していることが大湾区建設の支えとなるが、世界の著名な大湾区と比べて、産業発展のレベルはまだ高くなく、産業構造の改善の余地も大きいとの考えを示した。

記事は、「世界の著名な大湾区」として、ニューヨーク、サンフランシスコ、東京湾地区を挙げ、いずれも港湾の整備に始まり、倉庫、物流、加工業などの産業が整備されてきたと説明した。

浙江大学区域与城市発展研究中心(地域と都市の発展研究センター)の陳建軍執行主任は浙江大湾区の建設と、国策として進められてきた「長江デルタ三省一市(浙江・江蘇・安徽・上海)」の開発との関係について、浙江大湾区は国ではなく浙江省としての計画と説明した。

ただし、長江デルタ三省一市の経済規模は「世界第4の経済体」に近づいており、一体的発展を実施するためにも多元化が必要と主張。浙江大湾区、上海大都市圏、江蘇大都市群発展など、それぞれの省や市が自らの発展計画を打ち出すことと、三省一市の一体的建設の間に矛盾はないとの考えを示した。(翻訳・編集/如月隼人

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