中国経済情勢を中間地点で振り返る、投資の安定が重要―中国メディア

人民網日本語版    2018年8月8日(水) 5時20分

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7月31日に開催された中国共産党中央政治局会議で「6つの安定」業務を着実に行い、投資を安定させることが、「安定によって変化に対応する」ための重要な取り組みになるとの見方が打ち出された。写真は中国。

7月31日に開催された中国共産党中央政治局会議で「6つの安定」業務を着実に行い、投資を安定させることが、「安定によって変化に対応する」ための重要な取り組みになるとの見方が打ち出された。

今年上半期を振り返ると、社会全体で固定資産投資が前年同期比6%増加し、製造業の投資と民間投資の増加率が上昇を続けたことが目を引いた。

現在の経済運営は安定の中で変化しつつある。下半期の投資を安定させるにはどうすればよいだろうか。

国家統計局中国経済景気モニタリングセンターの潘建成(パン・ジエンチョン)副センター長は、「外部環境に明確な変化が生じ、今は内需を拡大して外部からの新たな課題がもたらす衝撃を解消する必要があり、投資の安定がぜひとも必要かつ非常に有効な手段になる」との見方を示す。

■投資を安定させるには、弱点分野に力を入れる

今年1~6月のインフラ投資は同7.3%増加し、増加率は鈍化した。同局固定資産投資統計司の趙培亜(ジャオ・ペイヤー)巡視員は、「インフラは依然として投資の潜在力が大きい分野であり、未来のインフラ投資は引き続き急速な伸びを達成すると確信する」と話す。上半期には全国の新たな投資意向や建設予定の投資プロジェクトが急速に増加し、ここから投資の原動力の強さや下半期のインフラ投資が基本的安定を維持する見込みであることがうかがえる。

潘氏は、「インフラ分野の弱点補強に力を入れ、重要な弱点部分をしっかりとらえる。中国の環境保護には数多くの課題を抱えており、汚染問題を解決したいなら、関連分野への投資を強化する必要がある。たとえば長江経済ベルト発展戦略を実施する中での企業の移転や改良作業では、相応のサービスと指導を提供する必要があり、生態の問題を解決し、より高いレベルの産業クラスターを育成することができれば、一挙『多』得だ」と話す。

■投資を安定させるには、民間投資の潜在力が大

上半期の中国の投資増加率が鈍化したのは、経済のモデル転換や構造調整に際しての必然的な現象だ。その中で、民間投資の増加率が好転傾向を示し、1~6月は同8.4%増加で、前年同期を1.2ポイント上回り、投資全体に占める割合は58.9%になって、同1.3ポイント上昇し、投資の増加に対する寄与度は81.5%に上った。国家発展改革委員会の厳鵬程報道官は、「ここから3つの積極的なシグナルがうかがえる。1つ目は上半期の全国の一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の利益が同17.2%増加し、企業の資金源が保障され、投資能力も有効な保証を得たことだ。2つ目は年初以来、製造業の購買担当者指数(PMI)が景気とみなされる範囲で推移し、工業製品の出荷価格指数(PPI)も合理的な水準を保ち、企業の投資への信頼感は高く、今後の予測も好転していることだ。3つ目は行政のスリム化、減税、費用の引き下げといった一連の政策措置が実施され、企業の投資意欲を、とりわけ民間企業の投資意欲を強化したことだ」と説明する。

■投資を安定させるには、高い品質の供給の可能性を拡大する

中国社会の主な矛盾点が、国民の日増しに拡大する素晴らしい生活のためのニーズとアンバランスで不十分な発展との間の矛盾へと変わり、消費構造もバージョンアップ加速の重要な節目にある今、新技術革命という歴史的なチャンスをしっかりつかまえ、先進的な生産能力を早急に育成し、遅れた生産能力を徐々に撤退させ、質の高い供給を急速に増やすには、供給システムの質を速やかに改善することが必要になる。上半期にはハイテク製造業への投資の勢いが強まり、増加率は製造業全体を6.3ポイント上回った。国務院発展研究センター産業経済研究部の趙昌文(ジャオ・チャンウェン)部長は、「供給構造の改善で投資が果たす役割がますます重要になっている。投資の安定とは単に投資ベースを加速させることではなく、有効な投資を着実に後押しすることこそが必要だ」との見方を示す。

高い品質の発展へと進む道のりの中で、新たな投資分野が次々登場し、企業の投資の活力も全面的に発揮されるとみられる。潘氏は、「インフラの弱点という『ハード』には大きな投資の可能性があり、高水準の文化・芸術・教育などの『ソフト』への投資も強化される必要がある。たとえば現在、ハイカルチャーの供給は超大型都市に集中しており、中小都市にはほとんどない。ここには巨大な投資チャンスが内包されている」と話す。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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