韓国期待の首都圏急行鉄道、年内の着工が不可能に=ネットから批判の声

Record China    2018年9月7日(金) 10時30分

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3日、韓国・中央日報は、国土交通部長官が公言してきた首都圏広域急行鉄道の年内着工が不可能になったと報じた。写真はソウル。

2018年9月3日、韓国・中央日報は、国土交通部の金賢美(キム・ヒョンミ)長官が公言してきた首都圏広域急行鉄道(GTX)‐A路線の年内着工が事実上、不可能になったと報じた。民間事業者との交渉が難航している上、着工に至るまでの法的手続きが煩雑なためで、着工は早くて来年中ごろ、遅ければ来年末ごろとなる見通しだという。

GTX‐A事業は、京畿(キョンギ)道の坡州(パジュ)・雲井(ウンジョン)から東灘(トンタン)を結ぶ83.1キロメートル区間のうち、坡州から三成(サムソン)駅北端までの43.6キロメートル区間に地下複線を建設するもの。総事業費は3兆ウォン(約3000億円)台で、着工から完工まで5年かかる見込みだ。営業最高速度は時速180キロメートル、表定速度は時速100キロメートルで、東灘から三成まで19分、一山(イルサン)KINTEXからソウル駅まで14分ほどで走行できる。

国土交通部と鉄道業界によると、政府と新韓銀行による企業連合の間で進められているGTX‐A建設交渉は、需要予測、料金、リスク分担などが争点。新韓銀サイドは同路線の1日の平均利用者数を29万人と予測していたが、再算定の結果、2万~3万人ほど少なくなった。事業者の収入も少なくなるため、どう穴埋めするかが問題となる。料金値上げ案や、政府による運営上の赤字の補てんなどが話し合われているが、接点を見いだせていないという。

双方が合意に至ったとしても、その後はいくつもの法的手順が待っている。まず韓国開発研究院(KDI)が1カ月かけて交渉案を検討した後、企画財政部の下部にある民間投資審議委員会が最終審議を行う。次に、双方による実施協約の締結、実施設計、環境影響評価、交通影響評価、関係機関による協議を経て、実施計画の承認要請が可能になる。ここまで到達すれば正式に着工可能となるが、鉄道業界関係者は「実施協約を結んでも、着工までには1年以上かかる。GTX‐A路線も、どんなに急いでも来年上半期の着工は不可能だろう」と予想いるという。

このほか、国立公園である北漢(プッカン)山の地下を通過するには環境影響評価を受ける必要があるが、環境部は歓迎していない様子だという。ソウル市庁駅の新設も、ソウル市が要求していると伝えられるが、新韓銀の計画にはなかった事案で、決定となれば約1900億ウォン(約190億円)の建設費を誰が負担するかが問題となる。このため関係機関の協議が進んでおらず、完工が遅れる可能性がある。

こうした中、金長官は青瓦台(大統領府)への業務報告や国会での発言の中で、「GTX‐Aは年内に着工する」と繰り返し述べている。しかし、国土交通部の事情に詳しい専門家は「金長官は、GTX‐A路線が通過する京畿道高陽(コヤン)市が地元。『年内着工』と強調しすぎて、負担が広がっている状態」だと明らかにしている。また、同部高官関係者も「年末着工はあくまで希望だ」と話しているという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは、「自分の家の近所を通るからとゴリ押しか」「このおばさんがなぜクビにならないのか不思議だ」「あなたには長官を務める能力がありません。辞めてください!」「GTXが通れば交通事情が改善されると思ったのに。無能な長官をなぜ支持するのか」など、金長官への批判が相次いでいる。

また、「この計画が始まったのは一体いつだ?」「GTXのせいで京畿道の住宅価格は爆上がりしてる!勘弁してほしい。喜ぶのは不動産投機をやってる人たちだけだと思う」「それよりソウルや首都圏の住宅価格を何とかしてよ」などという声も寄せられている。(翻訳・編集/麻江)

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