米朝首脳会談から間もなく3カ月、遅々として進まない北朝鮮の非核化、交渉の先行き不透明に

Record China    2018年9月2日(日) 10時30分

拡大

歴史的な米朝首脳会談から間もなく3カ月。しかし、合意したはずの北朝鮮の非核化は遅々とし進まないままで、ポンペオ米国務長官の北朝鮮訪問が中止になるなど、交渉の先行きは不透明感を増している。写真は北朝鮮。

2018年8月31日、米国トランプ大統領と北朝鮮金正恩・朝鮮労働党委員長が6月12日にシンガポールで会談してから間もなく3カ月。しかし、歴史的な米朝首脳会談で合意したはずの北朝鮮の非核化は遅々とし進まないまま。ポンペオ米国務長官の北朝鮮訪問が中止になるなど、交渉の先行きは不透明感を増している。

米紙ワシントン・ポストによると、北朝鮮は非核化で譲歩する前提として、朝鮮戦争(1950~53年)の終戦宣言を要求したが、米側は保有核兵器開示など北朝鮮の追加措置が先だと突っぱね、話し合いは難航している。ポンペオ長官の訪朝がトランプ大統領の指示で急きょキャンセルされた理由について、同紙はポンペオ氏が24日、「朝鮮労働党の金英哲副委員長から攻撃的な内容の書簡を受け取ったため」と報じた。書簡について米CNNは「非核化交渉の決裂を警告する内容だった」と伝えた。

トランプ大統領はツイッターで、北朝鮮問題に絡めて中国との貿易摩擦にも言及。「中国が以前のように(北朝鮮の)非核化プロセスで助けてくれるとは思えない」として、ポンペオ氏の訪朝は「中国との貿易問題が解決した後になる公算が大きい」と説明し、交渉のハードルを上げた。マティス米国防長官は中止されている米韓合同軍事演習の再開を示唆。北朝鮮をけん制している。

一方、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は26日、論説で米国が「北朝鮮に戦争を仕掛ける犯罪構想を企てている」と批判した。この中では米軍特殊部隊が侵攻を想定した演習の一環としてフィリピンを訪問したとする韓国からの報道を引用。「米国は笑顔で対話を行いながら、一方で殺人部隊が参加する極秘演習を実施している。われわれは、その二枚舌の態度を深刻に受け止めざるを得ない」としている。

さらに北朝鮮の海外広報用週刊紙「統一新報」は28日、「対話の裏で刀を研ぐ」と題した記事を掲載。米国が「表では微笑を浮かべて対話を行い、裏では秘密裏に(有事の際に敵の首脳部を排除する)斬首作戦訓練まで強行している」と述べ、裏表のある態度を見せていると非難した。韓国・聯合ニュースは「これは米国の軍事的行動に焦点を合わせたものだが、朝米交渉が事実上膠着(こうちゃく)状態にある中、北朝鮮の不信感と本音を遠回しに表現したものとみられる」とみている。

こうした中、韓国の文在寅大統領は事態を打開する仲介役に強い意欲を示している。文大統領は9月に平壌で金委員長と3回目の南北首脳会談に臨む予定。韓国大統領府は「朝米交渉が手詰まり状態になり、南北首脳会談の必要性が高まった」として、「詰まっているところを開け、狭い道を広げるための役割を果たすとみられ、そういう点から文大統領の役割が大きくなると思う」と強調している。(編集/日向)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携