熱海の温泉旅館で知る真の「リラックス」―中国人専門家

人民網日本語版    2018年8月4日(土) 23時0分

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日本の東京では今年、これまでにない暑い夏を迎えている。東京の街角に立つと、大勢の人が足音を立ててせわしげに行き交う様子ばかりが目に入る。東京は本当に忙しい街だ。資料写真。

日本の東京では今年、これまでにない暑い夏を迎えている。東京の街角に立つと、大勢の人が足音を立ててせわしげに行き交う様子ばかりが目に入る。東京は本当に忙しい街だ。(文:陳言/メディア関係者、日本問題専門家。)

東京の人が立ち止まり、ゆったりした時間を過ごすのはいつだろうか。この問題に答えるには、新幹線に乗って静岡方面へ100キロメートルほど移動し、熱海に行かなければならない。熱海に行けば答えがみつかる。

その名前からわかるように、熱海にはたくさんの温泉旅館があり、ゆったりした時間を約束する温泉旅館「ふふ」もそのうちの1つだ。

ふふの従業員の説明によると、「ふふと口に出すと、熱いうどんを食べる時のような感じになる。軽く音を出して、ふふと息を吹きかけると、うどんが少し冷めるけれどおいしさは失わないちょうどいい温度になり、麺の硬さもちょうどよくなり、絶妙な味わいを醸し出す」のだという。

ふふの社長はうどん店を経営していたことがある。日本のうどん店は席が少ししかないか、席がないという店が多く、客は立ったままで食べることになるが、リピーターは多い。中国人にとっては奇妙に聞こえる話だ。だが日本人にとってうどんとは、店の構えや価格に左右されることなく、狭い場所でもたまらないおいしさを感じさせてくれる食べ物だ。

日本では大きさによって豪華さやもてなしの心を表現することはほとんどない。小ささこそが、ひっそりと世間から身を隠し、雑音から切り離されたゆったりした時間を約束してくれる。

同じく熱海にあるふふの系列旅館「せかいえ」も、このような小ささゆえの魅力を体現しており、シンプルでゆったりした空間が広がる。

せかいえの客室はごくシンプルで、部屋の片側には背の低い長いサイドボードが置かれ、真ん中に薄型テレビがあり、テレビの両側は机や物置場になる。これ以外に余計な家具は一切なく、窓からは外の景色が見渡せる。

この心をざわつかせる余計な物がない部屋では、ベッドに寝転がって外を眺める人が一番多いという。広々とした海の景色がまるで絵のように目に飛び込み、遠くの港には漁船がゆっくりと入港する様子が見られ、魚やエビがさぞ大漁だっただろうなどと想像が膨らむ。

ベッドにごろりとなってゆったり本を読み、時々顔を上げて窓外の海や港や漁船を眺めるのは、この上もなく楽しいひとときだ。東京から抱えてきた心の緊張はたちまちほぐれていく。

せかいえは設計に借景を採用しているため、大きな空間や豪華なインテリアがなくても、利用者はゆったりと自然に溶け込み、えも言われぬ境地を味わうことができる。

レストランもゆったりペースだ。前の料理が出てから10数分経たないと次の料理は出てこず、1皿あたりの分量は多すぎないように調整されている。店員は料理をテーブルに置く時には必ず料理名を告げ、作り方と食べ方を簡単に説明し、さらに客と一言二言会話する。このようなペースでゆっくり食べるため、1回の食事時間は2時間を超える。

せかいえの規模はそれほど大きくなく、客室は20室ほどしかないが、だからこそいつでもひっそりと静かな空間を約束できる。従業員もいつも温かく親切で、ぞんざいな口をきくことなどあり得ない。

東京ではない日本の三線都市にある小さな温泉旅館が、真の「リラックス」とは何かを教えてくれる。現代の中国人が最もあこがれる「スローライフ」で何か一番大切かを教えてくれる。(提供/人民網日本語版・編集KS)

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