<コラム>凄まじく変化する中国、日本が10年経ってもできないこと

配信日時:2018年7月25日(水) 9時50分
凄まじく変化する中国、日本が10年経ってもできないこと
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上海はいつ行ってもその変化に驚く。街自体が生き物のように、変化していく。だから、街を歩くと、一種の畏怖(いふ)感を感じるのは私だけではあるまい。写真は上海。
上海はいつ行ってもその変化に驚く。街自体が生き物のように、変化していく。だから、街を歩くと、一種の畏怖(いふ)感を感じるのは私だけではあるまい。AIとロボットのプロジェクトが国家レベルで始動しだした。それも2030年をターゲットにした大戦略プロジェクトだ。それによって、向こう5年間だけでも、ホワイトカラーの生産性の劇的な向上、バス、タクシーの無人化、スーパーマーケット、小売店舗などの無人化、飲食店の自動化が進んでいく。

そうなってくると今のアリペイ(中国の電子決済サービス)でのキャッシュレスどころではなくなってしまう。日本に住んでいる日本人はこのキャッシュレスの恩恵に授かれない。銀行口座を中国に持てないからだ。持っていても、住んでいないとビザの期間しか利用できないので、変更しても再び、凍結されてしまう。

2017年に中国が発表した「次世代AI発展計画」は2030年をターゲットにしている。中国は社会主義一党独裁だから、制度とか法律を変えるのはとんでもなく早い。だから、新華社の報道によれば、中国の大手ECサイトの「京東商城(JD.com)」は陝西省の100の過疎地の村にドローンを導入した。それによって、搬送コストが5分の1になるそうだ。日本ではこうしたことは10年経っても出来ない。新宿から吉祥寺を見ればわかるように高層ビルが建てられない。日照権があるからだ。中国では国家の政策が優先される。

もちろん、高速道路の騒音でそのそばに住んでいる住人が訴訟を起こして勝ったケースはある。しかしながら、このドローンのように、思い切った政策が中国では許可がおりる。そのもう一つの理由として先進的なものを受け入れようとする中国人の特徴がある。日本人は保守的だ。

しかしながら、そこに住んでいる中国人はどうだろうか。中国が経済でいくら進歩し、ITがいくら浸透しても、人そのものはそう変わることはないということも我々は認識するべきだろう。ともすれば、こうした進歩によって、人々の心も変化していくと勘違いしている人が多い。人の心は変わらないのである。さらに我々が忘れてはいけないことはこの国が儒教の国だということだ。

日本も江戸時代の250年間は江戸幕府が儒学を武士に徹底的に教育していた。明治維新になって、こうした本質的な学習を止めて、欧米に追いつくための知識偏重の教育に変化していった。そのため、日本人は教育勅語がその片鱗として残っただけであった。それも戦後はなくなってしまった。なので、日本には中国ように、儒学の素地がなくなってしまった。

一方で、中国は文化大革命で一時的に儒学の排斥はあったものの、子どもが物心つく前に論語と孝経を暗記させる習慣は未だに、継続している。ということは人の心が変わらないばかりでなく、中国人が中国人としてのアイデンティティを持っているということだ。日本人もこうした彼らの伝統を今一度、見習うべきだろう。日本人もかつては立派な武士道の精神があった。

■筆者プロフィール:海野恵一
1948年生まれ。東京大学経済学部卒業後、30年にわたり、ITシステム導入や海外展開による組織変革の手法について日本企業にコンサルティングを行う。現在はグローバルリーダー育成のために、海野塾を主宰し、英語で、世界の政治、経済、外交、軍事を教えている。
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