<在日中国人のブログ>日本人は感動を作るのが得意、ただ、時には見守ることも大事

配信日時:2018年7月20日(金) 19時50分
日本人は感動を作るのが得意だが、時には見守ることも大事
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西日本は重大な水害に襲われた。全国各地から多数の千羽鶴が真っ先に被災地区に送られたが、被災地には何よりも救援物資やお金が必要である。写真は千羽鶴。
日本には折り鶴を1000羽折ることで「病気快癒」や「長寿が叶う」という俗信がある。ドラマの中でも時々千羽鶴が登場し、病気にかかる恋人・友達を見舞う人が千羽鶴を手にしている。千羽鶴は感動を与える道具ともなるが、最近千羽鶴が歓迎されない事態が起きた。今月上旬、西日本は重大な水害に襲われた。損失がきわめて大きい。多くの被災地には水と食料が不足状況であった。そんな被災地を思い、全国各地から多数の千羽鶴が真っ先に被災地区に送られた。

だが残念ながら、被災地には何よりも救援物資やお金が必要である。千羽鶴という伝統的なやり方が現実の壁にぶつかった。もちろん千羽鶴に罪はないが、現実的には千羽鶴よりも水やパンのほうが役に立つのだ。

これについて2つのことを提案したい。まず、一方通行の感動を控える。日本人は感動を作ることが得意だといわれている。千羽鶴を含む手作りのプレゼントはいつも称賛されている。千羽鶴を贈ることに関して「何もしないよりはまし」との声もあるだろうが、時には何もしないほうが良いこともある。ただただ静かに見守ることも大事である。

中国には「好心●壊事(●=辨の真ん中が力)」ということわざがある。「親切心が裏目に出る」という意味である。親切心だから全て良いというのは、一種の自己満足であり、感動を作るよりも現実を見ることが大切である。

次に、伝統を新しいカタチに変える。ネット時代の今、柔軟な考えが求められる。千羽鶴を作る手間を省いて、直接ネットで寄付するのはどうだろうか。千羽鶴だけではない。年末恒例の年賀状作成には多くの時間とお金がかかる。年賀状を手書きするのは生産性が低く、一言を書くのに余計な気遣いが必要で疲れてしまう。現在世界ではSNSが普及している。SNSで挨拶したほうが圧倒的に効率的で手間もかからない。お年寄りに対しては、直接電話で挨拶するか、訪問したほうが良い。

また、現在の日本のビジネスシーンでは依然として名刺交換が主流である。中国では、名刺はほぼ使われなくなった。中国のSNSの代表格であるWeChatの連絡先を交換することで、いつでも連絡が取れるようになるからだ。

伝統的な風習が効率性・実用性という壁にぶつかったらどうすればいいのか。これはまさに日本人が現在直面している課題ではないだろうか。日本の文化と習慣を守ることは大事だけれども、時代の歩みを無視してはいけない。激変する時代の流れの中、習慣・伝統文化にも現代的な価値観と多様性が求められるのだ。

■筆者プロフィール:黄 文葦
十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。
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