生産過剰なのに!中国鉄鋼産業、GDP目標のため新工場を新設―米誌

Record China    2012年7月4日(水) 8時26分

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1日、米誌はこのほど、中国の鉄鋼産業はすでに過剰状態にあるが、GDP目標実現のために工場を新設し続けていると報じた。写真は江蘇省南通市の高架橋建設現場。

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2012年7月1日、環球時報によると、米誌ビジネスウィークはこのほど、「中国にとって鉄鋼工場はまだ足りない」と題した記事を掲載し、中国の鉄鋼産業はすでに過剰状態にあるが、GDP目標実現のために工場を新設し続けていると報じた。

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中国は世界の鉄鋼生産量の45%を占める世界最大の鉄鋼生産国であり、世界10大鉄鋼工場のうち、6カ所を擁している。中国の今年の鉄鋼生産量は、実際の需要よりも2億2000万トン多い9億4000万トンが予定されている。

鉄鉱石の価格が高止まりし、供給過剰が続いており、中国の鉄鋼業界は今年第1四半期(1−3月)、10億元(約125億円)の赤字を計上した。中国鋼鉄工業協会の関係者は「鉄鋼業界はすでに冬を迎えている。われわれは生産量をコントロールし、在庫量に注視しなければならない」と話す。それにもかかわらず、中国の鉄鋼産業大手・宝鋼集団は広東省に110億ドル(約8756億円)を投資して新工場の建設を計画している。

毛沢東時代以降、中国の鉄鋼産業は国家の実力の象徴とみなされており、その発展は実際の需要よりも政治目標によるところが大きかった。世界的な金融危機の発生後、中国は橋や大型ビル、高速鉄道などインフラ建設に邁進してきたが、鉄鋼の生産能力はこれらの需要をはるかに上回るスピードで成長してきた。

清華大学ビジネススクールのパトリック・チョバネク(Patrick Chovanec)教授は、中国のインフラ建設は需要があるからではなく、GDP目標を実現したいからだと指摘する。新指導部が誕生する今秋の第18回中国共産党全国代表大会(十八大)を控え、経済成長の過度の減速を抑えたいとの思いがあることも影響していると見られている。

中国には現在約2700カ所の鉄鋼工場があるが、その多くは小規模で生産効率が悪く、低価値の製品しか生産できない工場だという。政府は小規模鉄鋼工場の合併や閉鎖により国内10大鉄鋼工場による生産シェアを現在の50%から15年には60%にまで引き上げ、鉄鋼産業をより強固なものにする計画を立てている。

しかし、業界関係者は「地方政府は小規模鉄鋼工場による就業機会の提供と税収を重視し、工場の閉鎖を望んでいない。しかも、大多数の工場は合併や統合の資金が不足している」と指摘し、実現が容易ではないとの見方を示している。(翻訳・編集/HA)

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