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<コラム>2030年のサッカーW杯は中国で?困難だが「カネ」で勝ち取る可能性も

配信日時:2018年8月7日(火) 23時50分
30年のサッカーW杯は中国で?困難だが「カネ」で勝ち取る可能性も
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先月行われたサッカーのロシアワールドカップ。日本代表は16強まで進み、決勝トーナメント1回戦でもベルギーを追い詰めるという躍進をとげた。そんな大会で目立ったのが、中国企業のスポンサー広告だった。写真はサッカーワールドカップロシア大会の決勝。
先月行われたサッカーのロシアワールドカップ(W杯)。日本代表は16強まで進み、決勝トーナメント1回戦でもベルギーを追い詰めるという躍進をとげた。そんな大会で目立ったのが、中国企業のスポンサー広告だった。

グラウンドを囲むバナー広告には、世界的なスポーツブランドやファストフードの広告とともに、中国企業の広告が何度も表示されていたのを目にした人も多いだろう。そんな中国企業の看板は漢字、しかも中国本土でしか通用しない簡体字と呼ばれる簡略化した漢字でしか表示されていないものもあった。これはもちろん中国の人々にしか理解できない内容だ。それをW杯で広告に表示させるということは、全世界向けの範囲で設定されたスポンサー料金でも、中国で見ている人にだけ届けばその広告効果が見込める、ということになる。

中国のポータルサイト・新浪がW杯開催前の6月に掲載した記事によると、今回7社の中国企業がW杯の公式スポンサーとなり、不動産企業の「万達集団(ワンダーグループ)」、中国の大手乳製品メーカー「蒙牛」、中国の大手家電メーカー「海信集団(ハイセンス)」、中国の格安スマートフォンメーカー「VIVO」など7社がスポンサー料金として支払った金額の合計は、8億8300万ドル。これはアメリカ企業の2倍で、国別でトップの金額だったという。中国の経済発展の大きさを実感させられるが、背景にはもう1つの要素として中国での高いサッカー人気がある。

サッカー中国代表は国際舞台での成績がいいとは言えないが、それとは関係なく国内でのサッカーの人気は非常に高い。サッカーファンは、中国語で“球迷(チウミー)”と呼ばれる。“球”は球技一般を表す言葉でもあるが、中国で最も人気のあるスポーツであるサッカーを意味している。そして“迷”は、それに迷い込むほどに魅入られている、つまりファン、という意味だ。中国のポータルサイト・搜狐が7月伝えたところによると、現在中国の“球迷”は1億8700万人に達している。

中国のサッカー人気は最近になって始まったことではない。まだ本格的な経済発展に入っていなかった2000年代の初頭ごろから、中国国内ではテレビ放送でさまざまな海外リーグの試合が放送され、欧州で活躍するサッカー選手が起用された広告も多かった。個人的な経験だが、今から約20年前、私がはじめて中国を訪れた際に列車の中で隣になった若者と話していた時、当時イタリアのサッカーリーグで活躍していた日本人選手の名前が出たことに驚いた記憶がある。

中国のテレビ放送は日本と異なり、1つのテレビ局が多くの専門チャンネルを持ち、大都市では多ければ50チャンネルほどの番組を見ることができる。スポーツ専門チャンネルも多くあり、昼夜を問わず常に各国のサッカーの試合が放送されている。「人気」という面から見るならば、サッカーはダントツで中国のナンバーワンスポーツであるとも言える。そんなサッカー人気がワールドカップで中国企業の広告が多く見られた背景にはある。

W杯終了後、中国でW杯が行われる可能性があると報じられた。まだ正式な決定はされていないが、2030年のワールドカップ開催に名乗りを上げる可能性の検討をはじめたという。

このニュースが報じられた時点で、すでにウルグアイ、パラグアイ、アルゼンチンの3カ国による共同開催が2030年のワールドカップ開催に名乗りを上げており、この3カ国に勝って開催するには非常に難しいという意見を報じたのは「新浪」だ。記事によると、2030年のワールドカップは100年目の記念大会であり、ワールドカップが1930年に初めて開催されたウルグアイに回帰する、という構想に勝つのは困難が予想されるという。またモロッコも前回から引き続き開催を望んでおり、今月に入ってイングランドも正式に名乗りを上げた。

中国の競争相手は非常に多い。そんな状況で中国のネットユーザーたちが、ネックになると語っていたのは「中国代表の弱さ」だった。代表チームが国際舞台で実績に乏しいことがやはり課題だと、中国のサッカーファンたちも思っているようだ。そのため、中国での開催には否定的な意見も多く見られた。中には「史上初勝ち点ゼロの開催国になってしまう」などという悲観的な意見もあった。多くの困難が予想される中国でのW杯開催だが、それもチャイナマネーの力で勝ち取ってしまう日が来るかもしれない。

■筆者プロフィール:コーシン
1980年生まれ、京都府出身。大学卒業後、中国現地上海のテレビ制作プロダクションに勤務。日系広告代理店勤務を経て、日本企業にて中国での業務に従事。在中国期間は通算で10年近く。
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