防災強国の日本 西日本豪雨で被害が大きいのはなぜ

人民網日本語版    2018年7月11日(水) 21時40分

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西日本を襲った豪雨による犠牲者は増え続け、これまでに167人が死亡、依然、56人の安否が不明となっている。今回の豪雨が引き起こした災害は30数年ぶりの大規模なもので、日本政府は「激甚災害」に指定する方針を固めた。

 西日本を襲った豪雨による犠牲者は増え続け、これまでに158人が死亡、依然、50人以上の安否が不明となっている。今回の豪雨が引き起こした災害は30数年ぶりの大規模なもので、日本政府は「激甚災害」に指定する方針を固めた。19府県の少なくとも590万人が避難指示勧告を受け、約2万3千人が避難所に身を寄せた。日本は地震、津波、洪水、土石流などの自然災害が頻発する国だ。日本人の防災意識は極めて高く、日本政府も綿密な災害支援対策を打ち出している。それなのに今回の豪雨による深水で、死傷者の数が多いのはなぜなのだろうか。「長江日報」が伝えた。

▽記録的降水量

被害が特に深刻だった地域の一つ、岡山県でメディア関係者の黒瀬道子さんが話したところによると、「それは主に今回の災害の被害が思っていたよりもずっと深刻だったからだ。一日で普段の3~4カ月分の雨が降った」という。

豪雨は5日に降り始め、8日には14府県の93カ所の観測地点で72時間降水量が観測史上最大を更新した。兵庫県の県都・神戸市の観測地点では例年の1カ月の降水量の2.8倍の雨を記録し、山口県岩国市では7日午後5時頃までに、24時間降水量が343ミリメートルに達し、観測史上最大を記録した。高知県の村では3日間の降水量が1091ミリメートルになり、通年の平均降水量の4分の1に達した。気象庁によると、今回の豪雨は、2つの高気圧にはさまれて梅雨前線がほぼ同じ場所に数日にわたって停滞したことが原因だという。

同庁は1府8県に大雨特別警報を発令し、対象地域は数十年に1度の降水量に見舞われ、最高レベルの警戒が必要であることを伝えた。日本紙「読売新聞」の報道では、「豪雨被害で死者が100人を超えるのは、1983年に島根県などで起きた山陰豪雨災害(112人)以来となる」、「豪雨災害の死者数としては、平成では最悪の被害となった」、「気象庁は今回の災害を今回の豪雨を『平成30年7月豪雨』と命名」したと伝えた。

大きな被害が出た岡山県倉敷市真備町では川の堤防3カ所が決壊し、地域の3分の1以上が浸水した。1千人を超える人が自宅の屋根に上がって、ボートやヘリコプターによる救援を待った。同市の推計では、住宅約4600棟が浸水し、3千~5千人が自宅から避難したという。日本の国土交通省によると、「現地で水が引くまで2週間はかかる」という。

▽山間部で二次災害が多発 重大な損失

豪雨による浸水だけでなく、土砂崩れや土石流も死者を出した。数日間続いた豪雨は主に鳥取県、岡山県、広島県、福岡県、佐賀県、長崎県、兵庫県、京都府など西日本を中心に降り、こうした地域は山間部や農村が多く、浸水による堤防の決壊、道路の冠水、建物の倒壊、山の土砂崩れ、土石流、川の氾濫などの二次災害が相次いだ。

気象庁は、山の土砂崩れなどの土砂災害や洪水がさらに発生する可能性があると警告を発した。

報道によると、東広島市のトンネル付近で土砂崩れがあり、少なくとも車3台が巻き込まれ、軽乗用車1台が崖下に転落したという。

▽家にとどまって巻き込まれた人も

気象庁が大雨特別警報を発令したものの、警報に強制力はなく避難命令ではないため、多くの人が家にとどまって豪雨をやり過ごそうとして、土砂崩れや土石流に巻き込まれて犠牲になった。

前出の黒瀬さんは、「警告が出されても、これまでの経験則で行動する人が多かった。以前に起きた洪水がどれほど大規模だったとしても、今回の浸水のようにこれまでをはるかに上回る被害が出るとは誰も予想していなかった。それで犠牲者の数が多くなった」と説明する。

また黒瀬さんは、「今回の犠牲者の中には高齢者が少なくない。農村に暮らす日本の高齢者は、豪雨で自分の畑がどうなるか心配になり、畑を見に行く途中でうっかり足を滑らせて洪水に飲み込まれ、命を失ったり行方不明になったりしたという人が多い」と話す。(編集KS)

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