中国の大学入試の成績を欧米の大学が重視する理由とは?―中国メディア

人民網日本語版    2018年7月14日(土) 16時20分

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米ニューハンプシャー大学は先ごろ米国の一流州立大学としては初めて、中国の高考(大学統一入学試験)の成績に基づく入学申請を受け入れた。同校の広報担当のマンツ氏はその理由について、多くの優秀な中国人学生を募集するためと話した。

米ニューハンプシャー大学は先ごろ米国の一流州立大学としては初めて、中国の高考(大学統一入学試験)の成績に基づく入学申請を受け入れた。同校の広報担当のマンツ氏はその理由について、多くの優秀な中国人学生を募集するためと話した。環球時報が伝えた。

英BBCの報道によると、申請者は大学入試の成績を提出するほか、英語試験とビデオ面接を受け、さらに高校時代の成績表を提出する必要がある。マンツ氏は、「最終的な合格基準についてはまだ検討中だ。中国の学生はさらにACT(American College Test)もしくはSAT(大学進学適性試験)を受験する必要があるだろう」と話した。

◆ニューハンプシャー大学以外の大学でも

西側諸国の大学はこれまで、長きにわたって中国の大学入試に注目してきた。豪政府は中国の大学入試を研究し、2009年に調査報告書を発表した。同報告書は、豪州の大学はこれを効果的な学生選抜方法にできると判断した。シドニー大学は2012年より中国の大学入試の成績を認めるようになった。今やオーストラリア国立大学、マッコーリー大学、ニューサウスウェールズ大学、アデレード大学、西オーストラリア大学など、豪州のトップクラスの7校が含まれる20数校が受け入れている。

米国ではニューハンプシャー大学の他に、サンフランシスコ大学、サフォーク大学、イリノイ工科大学なども中国の大学入試の成績を受け入れている。中国の大学入試の成績が550点以上の学生であれば、米国で70位台につけるブリガムヤング大学に入学を申請できる。中国の高校生は2015年から、大学入試の成績によりサンフランシスコ大学に入学申請を出せるようになっており、IELTS、TOEFL、SATを受験する必要がなくなった。

NZ名門のリンカーン大学も最近、本科の全専攻で受け入れを開始した。英国トップのケンブリッジ大学も、中国の大学入試の成績を認めるようになった。上述した国のほか、シンガポール、韓国、ドイツ、イタリアなど20近くの国と地域の大学が認めている。

◆中国の受験生が受け入れられている理由

英エコノミスト誌は「中国の大学受験の経験を持つ学生は、学術的な能力が非常に高い。ニューヨーク大学の採用担当者によると、中国の高校生は長年の詰め込み教育により批判的に考える能力がやや不足しているが、大学入試の成績は効果的な評価手段だと判断している。中国の大学入試は米国の試験とは異なる自律力などの異なる能力を評価している」と伝えた。サンフランシスコ大学の学長も、「中国の大学入試は批判を集めているが、学生が特定の知識体系を把握しているかを評価する上で説得力を持ち、さらに真剣に最後まで学習する精神力を持つかを評価できる」と述べた。

新航道国際教育集団副総裁兼留学サービスセンター総経理の冉維(ラン・ウェイ)氏は、「西側の大学は、中国の大学入試の点数は信頼できると感じている。これは中国の大学入試が客観的に見て、学生の学術能力を調べる上で高い信頼性を持つことを意味している」と話した。ニューハンプシャー大学の副学長も同じような考えで、「米国の大学は中国の大学入試の成績を認めるようになった。中国の大学入試で高点数を獲得した学生の新しい知識を学ぶ能力が、大学入試を受験していない学生を上回るからだ。米国の大学は、中国の国際学校から採用した学生が、申請書に記入していたほど優秀ではなく、一部の成績表が偽造されたものであることに気づいている。そのため一部の大学は中国の伝統的な選抜教育を受けた学生を重視し始めている」と述べた。

また西側の大学には、学生を増やし収入源を拡大する狙いがあると分析されている。多くの西側諸国、特に米国は近年、教育への支出を削減している。一部の大学の資金繰りが悪化し、中国の大学入試の成績を認め、多くの中国人学生を入学させることが資金獲得方法になっている。NYタイムズによると、中国人留学生はニューハンプシャー大学で、学費と寮費を毎年4万5000ドル以上支払わなければならない。データによると、米国の留学生全体に占める中国人の割合は3分の1以上で、37万7000人に上る。そしてほとんどの学生が学費を全額支払っており、米国の大学の重要な収入源になっている。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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