エネルギー需要の伸び著しい中国、“最も深刻な汚染源”石炭からの脱却は困難―ドイツ紙

Record China    2012年6月28日(木) 5時33分

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23日、ドイツ紙は「石炭の復興」と題した記事を掲載し、中国はCO2削減のために様々な代替エネルギーの採用に努力しているが、石炭への依存から脱却することは難しいと報じた。写真は江蘇省連雲港市の港に積まれた輸入石炭。

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2012年6月25日、環球時報によると、ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングは23日、「石炭の復興」と題した記事を掲載し、中国はCO2削減のために様々な代替エネルギーの採用に努力しているが、石炭への依存から脱却することは難しいと報じた。

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ブラジルのリオデジャネイロで開催された「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」に100カ国以上の元首や政府首脳が集まり、環境と気候問題について討議していたその時にも、中国では化石燃料の中で汚染の最も深刻な石炭が大量に消費されていた。

中国では毎年、新たに建設した数十カ所の火力発電所が運用開始されており、石炭消費量は他の国をはるかに凌ぐ。石炭による火力発電所のCO2排出量は天然ガスによる発電所の2倍になる。

工業化を推進してきた石炭は、15年前にはすでに過去のエネルギーとして認識されつつあった。しかし現在、あるエネルギー機構は、石炭は今後数十年、石油に代わり世界で最も重要なエネルギーになると予測する。

中国の石炭に対するニーズは、最近10年で2倍以上になった。石炭が他のエネルギーより安いこと、中国が国内に豊富な石炭資源を有していることなどが背景にある。中国の石炭産出量は世界のどの国よりも多いが、エネルギー需要の大幅な伸びに対応するため、09年以降、石炭の輸入を開始している。

石炭の大量使用などによって、中国の大都市では微小粒子状物質(PM2.5)による大気汚染が深刻な問題となっている。専門家は、微粒子による汚染は喫煙よりも危険が大きいと指摘する。北京のタバコ消費量は増加していないが、肺がんは過去10年で60%も増加した。大都市の一部の学校では、屋外での体育の授業を制限したり、児童が屋外へ出るのを禁止している。

こうした状況に対応するため、中国は「再生可能エネルギー法」を公布し、現在すでに風力エネルギーと水力エネルギーの最大の利用国となっている。また、11年から15年までの環境保護対策への支出を2倍にし、石炭による発電の比率を75%から68%まで低下させる計画を打ち出している。

しかし、中国の専門家は、石炭への依存を終えることは不可能だと予測する。中国政府は世界で最もクリーンな発電所を建設し、汚染の著しい小規模な発電所を閉鎖しているものの、中国のエネルギー需要の伸びは凄まじく、改善は難しいと指摘している。(翻訳・編集/HA)

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