海航集団の会長がフランスで事故死、中国で広がる衝撃

配信日時:2018年7月5日(木) 17時20分
海航集団の会長がフランスで事故死、中国で広がる衝撃
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王健会長の死を受けて、海南航空はホームページを白黒にした。中国でよく用いられる、哀悼を示す表示だ。
海南航空などを傘下に持つ海航空集団は4日午後、同集団の王健(ワン・ジエン)董事長(会長)が出張中のフランスで、転落事故により死亡したと発表した。王会長は1961年生まれで57歳だった。

フランス警察によると、王会長は南仏プロバンス地方のボニュー村を訪れ写真撮影をしている際、誤って高さ10メートルほどの壁または崖から転落したという。

王会長は天津市出身。1983年に中国民用航空学院を卒業し、中国中央政府の航空行政部門である中国民用航空総局に就職。1990年には同局を離れ、海南航空の前身である海南省航空公司の設立に携わった。2001には海航集団を設立し、同集団の最高経営責任者(CEO)、副会長、会長を務めた。

海航空集団は航空運輸業務を主力とするが、それ以外に空港サービス、ホテル、小売業、物流、金融など多くの事業に携わっている。

同集団傘下の海南航空は、中国の航空会社として異色だ。中国では中央政府系の中国南方航空、中国東方航空、中国国際航空が「中国三大航空会社」とされる。保有する運用機材(航空機)で見ると、前記三大航空会社はいずれも400機台~500機台。海南航空は200機強と半分程度の規模だ。ただし、三大航空会社の場合、購入を予約している機材が現保有機数の半分程度なのに対し、海南航空は260機以上と、機材の倍増計画を明確にしている。しかも、予約機の内200機が、中国が「大型旅客機」として開発中のC919であるなど、「チャレンジング」な姿勢が目立つ。

米誌フォーチューンが発表した2017年版フォーチューン・グローバル500で、海航空集団は前年の353位から順位を大きく上げて170位になった。同ランキングに中国の他の航空会社はない。ランキングの近い日本企業としてはセブン&アイ・ホールディングス(167位)、東京電力(185位)などがある。

同集団は国内外での企業買収を積極的に進めてきた。しかし、2016年の財務報告では、同年の借入金が2015年末の純資産の152%に上るなど、同集団が極端な「借金体質」になっていることが明らかになった。また、中国当局は借入金の適時開示を行っていなかったとして、同集団を警告処分とした。

同集団はさらに、海外での企業買収に際し、相手側に虚偽の資料を提出したり、契約不履行で損害を求められたとして、当局の調査を受けたり訴訟を起こされたりもしている。

王会長のグループ内での地位は、董事局主席(実質的な共同会長)で創業者のひとりである陳峰(チェン・フォン)氏に次ぐナンバー2で、陳・王両氏がそれぞれ株式の14.98%を保有していた。海航集団が猛烈な勢いで企業買収を続けたことと、債務水準を大幅に上昇させたことに、王会長は深くかかわっていたとされる。直接の責任者の死により、債務処理などをめぐる同社の混乱がさらに加速するとの見方が出ている。(翻訳・編集/如月隼人
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