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科学技術の発展に欠かせない走査型電子顕微鏡、国産品の性能上げられず輸入に頼る中国の苦悩

配信日時:2018年7月7日(土) 5時10分
科学技術に重要な走査型電子顕微鏡、輸入に頼らざるをえない中国
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中国は科学技術の発展のために極めて重要な走査型電子顕微鏡の性能を向上できず、ほとんどを日・米・独・チェコなどからの輸入に頼る状態だ。
科学技術を専門とする中国メディアの科技日報は3日、中国では科学技術の発展のために極めて重要な走査型電子顕微鏡の性能を向上させることができず、ほとんどを日・米・独・チェコなどからの輸入に頼る状態と指摘する記事を発表した。

顕微鏡とは、試料(観察対象)から反射する、場合によっては透過する「情報」を捉えることにより、試料の微小な形状などを知ることができる機器だ。小学校でも使い方を学ぶ光学顕微鏡は、通常のレンズや凹面鏡を用いて光を反射屈折させることが原理だが、2000倍程度の倍率が限界だ。

1930年代にドイツで開発され、戦後に普及した電子顕微鏡は、それまでの光学顕微鏡の限界を一気に突破した。電子顕微鏡は透過電子顕微鏡(TEM)と走査電子顕微鏡(SEM)に大別される。TEMは透過した電子線により資料の形状を知る機器で、倍率は50万~150万倍。SEMは細く絞った電子線で試料を走査することで、試料から出てくるさまざまな情報を検出する。倍率は10万~100万倍とTEMよりやや低いが、多方面にわたる情報が得られるので、「ミクロの世界」の実情を知るために、極めて有効だ。

科学日報によると、中国電子顕微鏡学会SEM委員会の曽毅告副主任は、「決して大げさではなく、素材分野の論文内容の70%~80%は、SEMによってもたらされた情報」と説明。その科学技術の進歩に欠かせないSEMのほとんどを、中国は日・米・独・チェコからの輸入に頼る状態だ。中国国産のSEMの市場シェアは5%~10%という状態という。

中国がSEMを輸入している理由は、中国メーカーがSEMに関連する多くの重要技術を「突破」できないでいるからだ。そのため、高性能のSEMを作ることができない。例えば、SEMでは試料に照射する電子ビームの幅をどれだけ細くできるかが、性能向上の重要な決め手の一つだ。曽副主任によると、現在は髪の毛の直径の6万分の1程度の1ナノメートルの直径の電子ビームが求められる。電子工学システムのそれぞれの段階で高い技術が求められるが、中国企業にとっては解決の難しい問題という。

中国企業にとって、その他にも解決せねばならない問題があり、高性能のSEMを製造するのは困難な状態だ。そのため中国全体として、SEM輸入のために、年間1億円(約16億7000万円)以上を投じる状態が続いているという。

曽副主任は、中国のSEM製造について、技術面ではTEMと一定の差があると説明。ただし、技術上の差はそれほど大きくないはずとして、開発資金の投入や政策の支援があれば、中国製SEMが自国の科学技術開発の部隊で大きな役割を果たす状況を見ることができるはずと主張している。(翻訳・編集/如月隼人

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