中国の「一帯一路」、実は苦境に立っている?―仏メディア

配信日時:2018年7月5日(木) 6時40分
中国の「一帯一路」、実は苦境に立っている?―仏メディア
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4日、仏RFIの中国語版サイトは、中国が提唱するシルクロード経済圏構想「一帯一路」について、「苦境に立っているのではないか」とする記事を掲載した。資料写真。
2018年7月4日、仏RFIの中国語版サイトは、中国が提唱するシルクロード経済圏構想「一帯一路」について、「苦境に立っているのではないか」とする記事を掲載した。

記事はまず「一帯一路は苦境に立っているのではないかという疑いの目が、中国内外の専門家やメディアからますます向けられている」とし、「中国政府にとって重い負担になりつつあるのではないか」と指摘した。

記事によると、台湾・聯合報は、中国の中央政府から中国メディアに対し、「一帯一路に関する宣伝の度合いを弱め」「一帯一路は中国版マーシャルプランではなく、一帯一路は構想であって戦略ではないという2点を強調する」ことを求める指示があったと伝えている。その目的は、周辺諸国での中国脅威論を弱め、中国と米国、中国と日本という伝統的な外交路線に回帰することであり、専門家からは「中国政府の慎重な姿勢は日々激しさを増す米国との貿易摩擦と関係している」「米中貿易戦争は、一帯一路による中国の消耗のスピードを速め、一帯一路のリスクをさらに高めることになる」との見方が出ているという。

米紙ニューヨーク・タイムズは、一帯一路について「中国政府は5年近い時間と数千億ドルもの資金を大胆な計画へと転換させ、アジアや東欧、アフリカでの大規模プロジェクトを通じて国際影響力を拡大してきた」とした上で、「だが中国政府はいま、ブレーキを踏み始めている」と論じている。中国政府の発表によると、今年1~5月までに中国企業が一帯一路参加国で新たに調印した海外請負プロジェクトの契約額は約362億ドル(約3兆9900億円)だ。規模は巨大だが、前年同期と比べると6%減少している。

中国人民銀行(中央銀行)の易綱(イー・ガン)総裁は4月、「投融資の持続可能性を保証することは極めて重要だ」と述べ、国内の金融機関に対し、一帯一路による対外融資を慎重に見積もり、相手側の返済能力を確保するよう求めている。

中国の政策銀行、中国輸出入銀行の胡暁煉(フー・シャオリエン)董事長は6月中旬、上海での金融関係者会議で、「世界の貿易・投資環境は暴風雨にある中、一帯一路に関連し、同行だけで56カ国・地域で1400超のプロジェクトを実施し、融資残高は7800億元(約12兆9800億円)を超えている」とし、そうした大量の資金が短期的なものではなく持続的に一帯一路の建設を支援するものとなることが重要だとの認識を示している。

香港貿易発展局の羅康瑞(ビンセント・ロー)主席は6月末の一帯一路関連フォーラムで、「一帯一路沿線国の中には、中国の国有企業による投資を国家による行為、ひいては寄付行為と捉える向きもある」とし、「そうした国々は、こうした投資が国家による行為などではなく、あくまでもビジネスの原則に基づくものだということを理解する必要がある」と述べている。

ニューヨーク・タイムズは「一帯一路沿線国への『やりたい放題で湯水のような』融資は、それらの国々と中国との関係を悪化させている」とし、その例として、「マレーシアの新政権は交渉がまとまっていたいくつかのプロジェクトの中止を決めた。マレーシアとスリランカの新政権は前政権が中国政府からこれほど多くの融資を受けていたことに疑いの目を向けている」と指摘している。

ほかにも、米国と中国との貿易摩擦や、米国の利上げが他の国にもたらす金融混乱、世界経済の見通しの不確実性などがすべて、一帯一路の推進に影響を与えているとしている。(翻訳・編集/柳川)
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