2012年6月6日、失脚した薄熙来（ボー・シーライ）前重慶市党委書記が在任中に合併を強行した同市大足区で、住民数千人が「合併は失敗だった」と抗議するデモが発生。機動隊が出動し、妊婦を含む数人が死亡した。7日付で台湾の中央通訊社が伝えた。

【その他の写真】

デモのあった大足区は薄氏が在任中の昨年11月、住民らの反対を押し切って双橋区と隣の大足県を合併させて発足。双橋区にとっては格下の大足県との合併は何のメリットもなく、かえって社会保障の質が落ちたことで、住民らの不満がたまっていた。

デモがあったのは6日午前。旧双橋区の路上を数千人が埋め尽くし、「合併は失敗だった」と抗議。記事によると、当局は話し合いもせず、いきなり機動隊を出動させ、デモ参加者の鎮圧を始めた。目撃者の証言によると、大勢のデモ参加者がこん棒を持った機動隊員によって次々に殴り倒された。

妊婦も殴られ、その場で死亡。お腹の赤ちゃんも助からなかった。地面に倒れたまま動かない人、こん棒で殴り殺された人、救急車で搬送中に息を引き取った人もいた。中には石やレンガを持って反撃にでる人もいたが、機動隊の力には及ばず。これらの様子を写真やビデオに収め、ネット上に公開する人もいたが、すぐに当局によって削除された。

同市では行政に対する不満からデモが頻発している。今年4月にも同じく昨年11月に強制合併された万盛区で、10万人規模のデモが発生。天安門事件の23周年にあたる6月4日にも約1万人がデモを行い、注目を集めた。（翻訳・編集/NN）