習近平中国次期主席、親日的国際協調路線踏襲へ=経済混乱回避へ各国との相互依存強まる―国分防衛大校長

Record China    2012年5月30日(水) 17時27分

拡大

30日、防衛大学校の学校長に今春就任した国分良成氏は記者会見し、「中国社会は今がまさに転換点」と分析した上で、「世界経済と中国は相互に依存しているので経済的混乱を回避するため、国際協調路線、グローバル重視路線を取らざるを得なくなる」と予想した。

(1 / 5 枚)

2012年5月30日、防衛大学校の学校長に今春就任した国分良成氏(前慶応大教授)は、日本記者クラブで記者会見し、「中国社会は格差や公害など問題山積しているが、今がまさに転換点」と分析。その上で、「中国経済はバブルの真最中だが、世界経済と中国は相互に依存しているので経済的混乱を回避するため、国際協調路線、グローバル重視路線を取らざるを得なくなる」と予想した。また、今秋に国家主席に就任予定の習近平氏について、胡主席の親日的協調路線を踏襲するとの見解を示した。発言要旨は次の通り。

その他の写真

世界の中で諸分野での中国の台頭は事実であり、その在り方が問われている。中国の軍事力は公表の2〜3倍とも言われており、中国政府は透明性を高めなければならない。国内の治安維持などいわゆる「社会管理費」が国防費よりも多いのも問題だ。権力の方向性を保つためにすべての精力が費やされている。中国では外交は内政の延長の色彩が特に強い。トップの権力闘争が外交に反映される度合いも大きく、特に対日姿勢に出やすい。

中国は米国との関係を重視しており、米国との関係が強固であれば、日本はついて来るとの考え方だったが、2006年の日中政府間「戦略的互恵関係」締結により大きく転換。両国が世界第2、第3の経済大国として、共通の地域的な問題に取り組んでいこうということになった。胡錦濤主席と安倍首相(当時)によるこの取り決めは温家宝首相の「戦後日本の平和と発展を築いたことを評価する」との日本国会演説に結び付いた。中国共産党内や人民解放軍の中には、反発の声もあり、2010年の尖角諸島事件を経て、この図式は現在も進行している。

胡錦濤政権は調和と格差是正を掲げたものの既得権益者の抵抗で目標を達成していないが、胡錦濤時代がようやく固まってきたということもできる。というのも、先の権力闘争(薄煕来事件)を経てようやくやりやすい体制になりつつあるからだ。中国社会は格差や公害など問題山積で、困難が待ち受けているが、今がまさに転換点である。

中国はバブルの真最中だが、今中国が経済的に破裂すると(中国に依存している)世界中が困る。中国の景気も世界景気に左右され、国際世界の不況は中国の不況につながる。したがって国際協調路線、グローバル重視路線を取らざるを得なくなる。トップが懸念した「文化大革命」は再来しないだろう。今秋に国家主席に就任予定の習近平氏は中国訪問の日本の関係者に頻繁に会うなど親日的で、胡主席の協調路線を踏襲するとみられる。

中国では、インターネット人口が急拡大し中国版ツイッターなどでは膨大な量の情報があふれている。高級幹部と企業との癒着などの情報が一番多い。従来のような「中国型モデル」や「国家指導型モデル」は通用しなくなるかもしれない。世界中が不況などに苦しんでいる中、国際世論を提示していくことが必要だ。(取材・編集/HY)



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携