長者番付から見た中国富裕層の5つの変化、不動産業は没落へ―韓国紙

Record China    2012年5月19日(土) 10時42分

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16日、韓国紙は長者番付を分析し、中国の富裕層では不動産業長者が没落し、内陸の富豪が台頭していると報道した。写真は浙江省の不動産業長者・宋衛平。

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2012年5月16日、韓国紙・朝鮮日報は長者番付を分析し、中国の富裕層では不動産長者が没落し、内陸の富豪が台頭してきていると報道した。17日付で環球時報が伝えた。

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韓国のシンクタンク・LG経済研究院は15日、「富裕層の浮沈から見る中国経済」と題した報告書を発表した。報告書では中国誌・胡潤百富の2007年と2011年の長者番付を引用、資産規模を基準に選定された中国の長者上位500人を比較分析し、中国の富裕層に起きた変化を5つにまとめた。

第1の変化は中国国内に「総合型富裕層」が増加している点だ。一業界だけに従事している富裕層は2007年の81.2%から2011年に68.6%まで減少しているのに対し、総合型富裕層の比率は18.8%から31.4%に増加。うち、大部分は本来製造業だったが、投資範囲を不動産や金融業に拡大した人たちだ。報告書ではこれまで富裕層が主に従事していた製造業や不動産業の拡張期は終わり、単独の業界だけでは富の蓄積や維持が難しくなっているためと分析している。

次に不動産業界の富裕層の没落が挙げられている。不動産業界は中国では昔から「富裕層のゆりかご」だった。2007年の長者番付上位500人のうち、不動産業からは100人と全体の20%が選出されていたが、2011年には14%にまで下がっている。浙江省の不動産業長者である宋衛平(ソン・ウェイピン)は2007年のランキングでは65位だったが、財務状況を掌握せずに高級不動産の開発だけを続けた結果、2011年には438位にまで後退。中国政府は不動産市場の過熱化を憂慮してさまざまな抑制策をとっており、これが不動産長者の没落を招いている。

3つ目の変化は製造業の企業家の多くが金融投資家に転身していることだ。「中国のジョブズ」といわれたアリババグループの創業者・ジャック・マー馬雲)とIT業界のトップがプライベートファンド「雲峰基金」を共同で設立。大中電器の創業者・張大中(ジャン・ダージョン)はライバル会社に自社を思い切って処分し、投資家に転身しようとしている。中国の富裕層が次々と金融業に転身しているのは、実業に投資してもうまみが薄くなってきているからである。

4点目に挙げられている変化は、内陸部の富裕層の台頭だ。中国各地の富裕層の分布状況によれば、上位500人の資産総額における沿海部の富裕層が占める割合は88.1%から84.5%に後退、逆に中部は6.1%から7.8%、西部は5.5%から7.5%へとそれぞれ増加傾向にあり、中国政府が推進する「西部大開発」などの地域間格差是正策による関連地域の富裕層の台頭が目立っている。

最後に5点目の変化として、2代目御曹司の経営拡大がある。富裕層上位500人のうち、経営に参加している「2世長者」の人数は、2007年の42人から2011年には141人と大幅に増加している。(翻訳・編集/渡邊英子)

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