中ロ共同開発のワイドボディー機、2023年初飛行へ=ロシアから中国に技術流入の可能性

配信日時:2018年6月13日(水) 0時10分
中ロ共同開発機、2023年初飛行へ=中国に技術流入の可能性
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中ロ両国が共同開発するCR929ワイドボディー旅客機の主要特徴について、双方が合意した。2023年の初飛行を目指す。共同開発により、ロシアの技術が中国側に流入する可能性が高まっている。
中国メディアの環球時報は9日、ロシアメディアを引用しつつ中ロ両国が共同開発するCR929ワイドボディー旅客機の主要特徴について、双方が合意したと報じた。2023年の初飛行を目指す。ロシアは中国が着手したことのないワイドボディー機の開発実績がある。共同開発により、ロシアの技術が中国側に流入する可能性が高まっている。

記事によると中ロ双方の合意が成立したのは6日だった。機体や主翼、尾翼などの大きさや形状、エンジン関連などについてまとまった。ロシア側も非常に満足しているという。CR929のライバル機はボーイング社のB787やエアバス社のA350だが、運航コストは10%~15%低減されるという。2023年の初飛行と26年の航空会社への引き渡しを目指す。

開発を担当するのはロシアの統一航空機製造(OAK)と中国商用飛機(COMAC)の折半出資により上海市に設立された中ロ国際商用飛機(CRAIC)だ。

中国は1970年代に民間航空用旅客機としてY-10(運-10)の開発を着手。同機はB-707のコピーで、試験機2機が作られ「実用に耐える」とされた。しかし中国各地の主要都市を飛行したが、1986年になり放棄された。当時の中国の技術力では、計画に無理があったとされる。

中国は次に、1990年代後半に、「小型ジェット旅客機」と位置づけるARJ21の開発に着手。最大客席数が90席のARJ21-700は2017年7月に政府・民用航空局(民航局)の生産許可証を受領し、一部航空会社への引き渡しも始まった。乗客を乗せての飛行も始まっているが、18年6月6日に民航局の副局長が同機に登場して運航状況を視察して安全運航に万全を期すよう指示していることなどから、中国の航空界においては今も「模索」の部分が残っていると考えられる。

中国が次に開発したのは、最大座席数が174席程度のC919だ。同機の初飛行は2017年で、現在も開発や検証が続いている。中国で同機は「大型旅客機」に位置づけられているが、客席内の通路が1本であるため、国際的な通念ではワイドボディー機に含まれない。

一方で、ロシアのOAKはイリューシン、スホーイ、ミグ、ツポレフなど、旧ソ連時代から続くロシアを代表する航空機会社を傘下に持つ。うち、イリューシンはワイドボディー機のIl-86とIl-96を完成させている。Il-86の運用開始は1980年代、Il-96は1992年だ。

中国がCR929の共同開発に踏み切ったのは、現在の技術力で独自開発は困難と判断したからとされる。一方、ロシアの航空産業にとって何と言っても必要なのは資金だ。航空機製造会社が資金不足に陥ると、軍用機の開発も大きな影響を受けることになる。中ロ両国が共同開発したCR929が商業的に成功すれば、ロシア側も利益を上げることができる。その一方で、ロシアの技術が中国に流入する可能性が高まっている。

旅客機開発では通常、アメリカ連邦航空局(FAA)や欧州航空安全機関(EASA)の型式証明の取得を前提とする。両組織の型式証明があれば、世界中の空港への乗り入れが可能になるからだ。逆に前記2種の型式証明が取得できなければ、国際市場への売り込みは極めて難しい。しかし中国で開発された旅客機の場合、自国当局が発行する型式証明があれば、中国国内の航空会社への販売だけで、ビジネスとして成立可能という特徴がある。

つまり中国にとっては、まず国内あるいは一部の開発途上国だけで運航可能な旅客機を開発し、技術や経験を蓄積した後に国際市場に広く売り込める機体を開発する選択肢もあることになる。(翻訳・編集/如月隼人
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