日本での民泊利用では戸惑いも、新法施行で変化生じるか―中国メディア

人民網日本語版    2018年6月10日(日) 22時0分

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現在中国では海外旅行で民泊を利用することがすでに流行となりつつある。ホテルと比べると、アメニティーなどは完備していないが、民泊を利用すると、その地元をより身近に体験できるという違った楽しみがある。資料写真。

現在中国では海外旅行で民泊を利用することがすでに流行となりつつある。ホテルと比べると、アメニティーなどは完備していないが、民泊を利用すると、その地元をより身近に体験できるという違った楽しみがある。筆者もこれまでに、花見の季節に日本を2度旅行し、民泊を利用したことがある。それは良い思い出でもあり、ちょっと意外さを感じた思い出でもある。人民網が伝えた。

16年3月に日本に桜を見に行った際は、混雑を避け、静かに旅行を楽しみたいと思い、わざわざ何度か乗り換えをして、南阿蘇村という田舎を訪れた。オンライン予約した民泊は小さな山村にあり、紆余曲折はあったものの、なんとか迎えの人を駅まで呼んで、その古い家の前まで送り届けてもらった。その家はもともと武士の住まいだったそうで、その子孫にあたる最後の一人が老人ホームで暮らすようになり、今の代理オーナーに管理を委託されたのだと教えてもらった。

早朝、鳥の鳴き声で目が覚め、起き上がって辺りを見回した。すると、窓の外の庭はそれほど大きくはないものの、家は山のふもとに建てられており、細い川には小さな橋がかかり、太陽を覆うほどの木や花が生い茂り、まるで大きな箱庭の中に身を置いているような気分になった。そして、会ったことはないその武士と、タイムスリップして交流しているところを想像した。その家は木造で、あちこちからその長い歴史を感じることができた。客が泊まれる部屋は3部屋あり、台所の設備も比較的整っていた。しかし、掛布団のカバーはなく、シーツがあるだけで、洗ったかどうかも分からない状態で、清潔さにはやや劣っている印象を受けた。

この民泊は朝食付きで、卵とトースト半切れ、それに牛乳が置いてあった。別の部屋に置いてあった大きなかごにはミカンが入っていたが、すでにカビが生えてしまっているミカンも少なくなかった。私たちがその民泊をチェックアウトした際、オーナーからは、「残った食べ物は今夜に泊まる人のためにそのままにしておいて」と言われた。

村の中を歩くと、お茶の花が満開で、その光景はとてもきれいだった。しかし、村の小さな駅のトイレはとても汚かった。ここ数年、日本に来て初めて目にしたといってもいいくらい汚いトイレだった。

また昨年、筆者は日本に紅葉を見に行った。前回の経験から、布団カバーを持参して民泊に備えた。そして、民泊を予約する前に、ある知り合いが微信(Wechat)のモーメンツで、「予約した東京の民泊の家に入ってまず目にしたのがごみだらけの通路で、寝室にはドアがなく、外れたドアが洋服ダンスの中に置かれていた」と書き込んでいるのを目にしたので、わざわざリニューアルしたばかりの民泊を予約することにした。しかし行ってみると、驚いたことに、2階建ての建物の1階の寝室とトイレにはドアがなかった。オーナーは中国系で、2家族4人で2階に泊まり、1つのトイレを共用するようにと言われた。2階に上がってみると、鼻をつくようなリフォームのニオイがした上、トイレの共用はとても不便だと感じたので、急遽ホテルに移ることにした。当日にホテルを予約すると高くなるだろうと思っていたが、東京の中心にあるホテルの料金は、キャンセルしたその民泊とほとんど変わらなかった。

民泊を利用するのは、日本の一般家庭の生活を体験するためで、ホテルほど快適でなくても気にならないという人もいれば、民泊は料金が安ければいいが、高い場合はホテルと同じようなサービスを提供しなければならないと考える人もいる。

民泊を利用するなら、武士の家のような、特徴がありながらも、それほど高くない所がベストで、そこでなら現地の風習や人情にも触れることができる。また、桜や紅葉の季節など、旅行シーズン時に民泊を利用すると、値段は当然少し高くなるものの、独特の雰囲気をじっくり味わうことができ、それはそれで価値がある。しかし、最悪なのは、ホテルと同じほどの料金にもかかわらず、サービスはホテルに遥かに及ばない民泊だ。

しかし6月15日から、日本では住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行される。同法は、民泊として家を提供できる日数を1年間180日までとし、家屋内に台所・浴室・トイレ・洗面設備があること、非常用照明器具の設置、避難経路の表示のほか、設備の使用方法に関する外国語を用いた案内、近隣苦情窓口設置などを義務付けている。

また、民泊提供をめぐる独自の条例案を設けている地域もある。例えば、新宿区は住居専用地域における民泊の営業を月曜正午から金曜正午まで禁止する独自の条例案を設けており、大田区の条例では住居専用地域や工業地域など一部地域における民泊を平日・週末に関わらず全ての期間で禁止している。

実際には、これまで民泊の経営はグレーゾーンだったものの、法に基づいて自治体に届け出をして、規則に基づいて経営するようになるということは、政府に税金を納めなければならなくなるということで、事業者はこれまでのような高い利益を望めなくなり、損失は大きいと言える。

統計によると、日本には届け出をしている民泊が約2万軒であるのに対して、日本の宿泊プラットフォームに登録されている物件は約10万軒もある。これまで、多くの人が、空き家をインターネットを通して民泊として提供し、多くの観光客がそれを利用してきた。しかし、近隣住民からの苦情も多く、住宅宿泊事業法が実施されることになった。同法の施行が決まるまではなんと約2年間もの議論が行われた。同法の施行により、これまでグレーゾーンで民泊を経営していた一部の事業者がこの分野から撤退するかもしれない。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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