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<レコチャ広場>「惨事ストレス」が気になったら留学生も参加を―大震災ボランティア団体が「癒しの場」

配信日時:2012年5月8日(火) 21時38分
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大震災から間もなく1年2カ月、ボランティア経験者が陥るとされる「惨事ストレス」への対応を急ぐ動きが出てきた。写真は東日本大震災被災地とボランティア活動。
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2012年5月8日、「皆さんと会話ができて本当に助かった。(苦しんでいるのは)自分だけではないことが分かり、安心した」―東日本大震災の被災地をボランティアとして何回か訪れている若者は、こう言って心から安どした様子を見せた。参加者を対象に、ある民間ボランティア団体が開いた「癒しの場」での一こまだ。大震災から間もなく1年2カ月、ボランティア経験者が陥るとされる「惨事ストレス」への対応を急ぐ動きが出てきた。

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代表的な存在が非営利団体「かながわ東日本大震災ボランティアステーション」(KSVN)。経験者同士が思いや悩みを気兼ねなしに語り合い、話すことで癒す機会を定期的に設けている。「ボランティア振り返り《こころほっと》ミーティング」と題した癒しの会は4月8日にスタート。神奈川県臨床心理士会とタイアップして以後月2回のペースで実施している。

KSVNは昨年4月以降、宮城、岩手両県にボランティアバス計170台以上を運行、延べ5000人超のボランティアを送ってさまざまな支援活動をしてきているが、強く懸念されるのが、参加者が被る精神的・身体的な後遺症。悲惨な現場を目の当たりにしたり、過酷な被災体験を聞いたりすることで参加者に起こる精神や体の不調で、人によってはこれが長く尾を引き、「惨事ストレス」を発症する。

癒しの会は、各回14人で、1グループ7人に分かれ、出席者にはお茶を飲みながらボランティアで経験したこと、感じたこと、抱いた思いなどを自由に語り合ってもらう。ボランティア経験者でもある筆者が参加した4月の会合も全員がボランティア経験者。直ぐに打ち解けて、会は和気あいあいの雰囲気。楽しい語らいが続いたが、話がひと段落するころになると、つらい話が出てくる。

「本当につらいのは、本人も被災者なのにボランティアをして頑張っている現地の人びと。苦しくても弱音を吐けない」「経験を友だちに話そうとすると、避けられてしまう。不愉快なのかなと思って話さなくなった」「やることはいっぱいあるのに参加者は先細り」。

聞き役としてベテラン臨床心理士が同席。惨事ストレスがだれにでも起こる自然な現象であることを優しく説く。この間約2時間。「会に参加できてよかった」―。始まったときに緊張気味だった出席者の表情が終わるころには和やかになっているのが印象的だった。

費用はお茶代として300円。ボランティア経験者ならどの団体でも参加が可能だ。今回の大震災では外国を含めて多くの人びとがボランティアに参加している。気になる留学生がいたら参加してはどうだろうか。(日本語教師RN)

<惨事ストレス>

表れ方や強さは人によって異なるが、「だれにでも起こる異常な状況の中での正常な反応」。(1)興奮(2)フラッシュバック(突然、鮮明に現場の情景や人の言葉を思い出す)(3)思い出すことを避けようとすること(4)身体の不調―など、さまざまだが、対処方としては十分な休養と普通の暮らし、家族と語らい・だんらんなどが有効とされる。それでも時として影響が消えずに日常生活や仕事・学業に支障を来たす場合があり、そのときには医師やカウンセラーの治療が必要となる(KSVN参考資料から要約)。

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