一人っ子政策違反で徴収した巨額の「罰金」、ずさんな管理体制が明らかに―中国メディア

配信日時:2012年5月3日(木) 15時53分
一人っ子政策違反で徴収した巨額の「罰金」、ずさんな管理体制が明らかに―中国メディア
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2日、「一人っ子政策」をとっている中国では、違反すると「社会扶養費」と称した事実上の罰金が徴収される。その額は年間200億元(約2550億円)を超えるとみられるが、使い道が不透明であることが問題視されている。写真は一人っ子政策を呼び掛けるスローガン。
2012年5月2日、夫婦1組につき原則として子供を1人しか持てない「一人っ子政策」をとっている中国では、違反すると「社会扶養費」と称した事実上の罰金が徴収される。その額は年間200億元(約2550億円)を超えるとみられるが、使い道がかなり不透明であることが問題視されている。中国広播網が伝えた。

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そもそも、この「社会扶養費」という名称だが、一人っ子政策が始まったばかりの1980年代初期には何のためらいもなく「罰金」と呼ばれていた。それが、1994年に「計画外生育費」となり、2000年には「社会扶養費」に統一。「罰金」ではなく、「多く産めばそれだけ、社会の公共資源を多く使うから」という名目に変わった。

2001年には「人口と計画生育法」が制定され、社会扶養費の具体的な徴収方法や管理に関する国の基準が定められたものの、実際には「社会扶養費徴収管理弁法」という法律で、各地方にかなりの裁量が与えられているというのが現状。

北京を例にとると、2人目を出産した場合は「都市居住者の年平均可処分所得もしくは農村居住者の年平均純収入の3〜10倍」、3人目以降は「2人目の徴収額の2倍」という決まりになっており、市がケースバイケースで金額を決められる仕組み。「悪質」と判断した場合は当然、額が大きくなる。

「北京ですらこの有様ですから、地方はもっとアバウトですよ」と話すのは、楊支柱(ヤン・ジージュー)元中国青年政治学院法学部副教授。2人目をもうけたため、大学をクビになった。北京市からは社会扶養費として24万元(約306万円)が請求されている。

中国広播網の記者が試しに北京の当局に問い合わせてみると、毎年の徴収額や違反者の人数に関するデータはないとの答えが返ってきた。では、中国全土で一体、年間にどれだけの額が徴収されているのか。記者が各地方のデータを集めて概算したところ、その額は200億元(約2550億円)を超えた。

徴収した社会扶養費はその都度、各行政の専用口座に預け入れることになっている。実際には各省は徴収の実務を県や村、自治会に委託しており、例えば山東省では県(市・区)の計画生育部門に徴収した額の85%が渡る仕組み。

だが、その使い道はかなり不透明であることが問題視されている。その一例として、四川省内江市を挙げると、同市が2009年に管轄する5つの区・県の社会扶養費の使い道に関する調査を行った結果、使途不明金は4つの区・県で計1億1300万元(約14億円)を超えていた。「大半が徴収員への報酬ですよ。そうでなければ、誰もこんな嫌な仕事、やりたくありませんから。個人のポケットに相当な額が入っていると思いますよ」と楊氏は指摘している。(翻訳・編集/NN)
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