米中経済貿易協議、ワシントン合意実行の鍵は「向き合って進む」―中国メディア

人民網日本語版    2018年6月4日(月) 20時30分

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中国の劉鶴副首相率いる中国側代表団とロス米商務長官率いる米側代表団は2、3両日に経済貿易問題について釣魚台迎賓館で協議を行った。資料写真。

中国の劉鶴(リウ・ホー)副首相(中共中央政治局委員、米中包括経済対話中国側代表)率いる中国側代表団とロス米商務長官率いる米側代表団は2、3両日に経済貿易問題について釣魚台迎賓館で協議を行った。中国側の発表した声明によると、双方はワシントン合意の実行について、農業・エネルギーなどの分野で良好な意思疎通を行い、積極的、具体的な進展を得た。しかしながら、その詳細については、双方の最終確認を待つ必要がある。ロス長官は中国との協議は現在まで「友好的かつ率直」であり、具体的輸出品についても議論したと表明した。(文:盛玉紅・国際鋭評論説員。中央広播電視総台国際在線掲載)

中国側の声明にはキーワードが3つある。「合意の実行」「良好な意思疎通」「積極的、具体的な進展」だ。「合意の実行」は今回の協議の目的であり、「良好な意思疎通」はその方法であり、「積極的、具体的な進展」はその成果だ。この3つは互いに結びつき、1つも欠かせない。公表された情報を見ると、協議の重点は農業とエネルギーであり、積極的な進展を得たことは双方の利益にかなう。

中国はすでに世界最大規模の中所得層を形成し、社会の主要な矛盾は国民の日増しに高まる素晴らしい生活へのニーズと不均衡・不十分な発展との間の矛盾へと変わっている。中国が米国から質の高い農産物や天然ガスなどクリーンエネルギーの輸入を拡大するのは、まさに国民の素晴らしい生活へのニーズを満たし、質の高い経済発展を促進するためだ。

農産物では、近年米国産のオレンジ、大豆、ピスタチオ、ワイン、牛肉などが高品質の農産物への中国人消費者のニーズを満たしてきた。米国からの輸入拡大によって、中国人消費者が良質で廉価な農産物をより多く購入できるようになるだけでなく、中国産農産物の開放の中での供給側改革の加速も刺激されることは間違いない。同時に、米国の農家も安定した輸出市場を得て、収入を増やすことになる。

エネルギーでは、中国は急速な経済発展と14億人のエネルギー消費需要のために、エネルギー需給の問題が日増しに顕在化している。昨年末には、中国の多くの省(直轄市・自治区)を席巻した「ガス供給逼迫」によって、人々は天然ガス不足の苦しみを実感した。国内の生産能力で国民の需要を満たすのはすでに困難だ。同時に、大気の質の改善への中国国民の期待、青い空を守る闘いに勝利する政府の決意と措置は、いずれもクリーンエネルギーの輸入を拡大し、多元的なエネルギー輸入のルートと構造を形成することを必要としている。これは米側の貿易赤字削減にも寄与し、間違いなくウィンウィンの結果となる。

だが同時に、中国側声明が指摘したように、米中間で得られた成果は、いずれも双方が向き合って進み、貿易戦争をしないという前提に基づくことになるはずで、もし米側が関税引き上げを含む貿易制裁措置を打ち出した場合、双方間の協議により得られたあらゆる経済・貿易上の成果はその効力を生じないことになるだろう。これは中国側の姿勢及び譲れぬ一線であり、ワシントン合意の実行を確保するうえでの鍵でもある。

ロス長官は今回の中国との協議は「友好的かつ率直」だったと表明した。だが、最終的確認を要する詳細がまだあること、米側代表団は今回の協議の成果をトランプ大統領に報告する必要があることから、次に何が起きるのかは依然不透明だ。これに対して、中国側は落ち着いて観察し、十分な戦略的揺るぎなさを保ち、各種対応の準備を整える。

ワシントン合意に従い、米中は続いて製造業、ハイテク産業、サービス業製品などの分野での協力の実行についても協議する必要がある。中国側の努力は、両国民の利益を最大限守るためのものだ。米政府も本当に国民のためを考えているのかどうかを見る最良の試金石が、中国側と「向き合って進む」かどうかだ。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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