中国経済成長のアキレス腱は人口問題―英メディア

Record China    2012年4月26日(木) 7時23分

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21日、英誌エコノミストは、人口問題が中国経済成長のアキレス腱になると指摘した。写真は旧正月に江蘇省徐州市から帰省する出稼ぎ労働者。

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2012年4月21日、英誌エコノミストは、人口問題が中国経済成長のアキレス腱になるとの記事を掲載した。23日付で環球時報が伝えた。

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過去30年間で、中国の出生率は2.6から人口の安定的な維持ができないレベルの1.56まで低下した。中国の出生率について国連は、15〜20年にはさらに低下し、1.51になると予測している。一方、米国の出生率は2.08で、さらに上昇する見通しだという。

数値はわずかの差だが、長期的に見ると出生率の差が社会に与える影響は極めて大きい。50年には中国の人口は現在の13億4000万人から13億人へと減少し、出生率の低迷が続けば、60年には10億人にまで減少する。一方、米国は今後40年間で人口が約30%増加すると見込まれている。

人口の年齢別構成を見るとさらに大きな差が明らかになる。中国の人口の年齢の中央値(年齢順に並べた全人口を2等分する年齢)は、1980年は発展途上国に相応しい22歳だったが、現在は34.5歳となっており、先進国である米国の37歳に接近している。50年には、中国が同49歳、米国が同40歳となり、中国が米国を9歳も上回る。

また、出生率の低下は労働力人口(15歳以上の人口のうち、就業者と失業者の合計。学生、専業主婦などは除く)にも大きく影響する。中国の労働力人口の割合は10年には72%だったが、50年には61%にまで低下し、知的水準の高い20代の若い労働者数は現在の約半分になると予測されている。

オックスフォード大学高齢者研究所のサラ・ハーパー氏は、問題解決のために中国は海外から移民を受け入れようと試みる可能性があるが、大量の移民受け入れは各種問題を引き起こすと指摘。米国は多民族社会で、移民受け入れの歴史も長く、法律や政治機構も整備され、広く開放されているが、中国はこれらを備えていないからだ。

急速な高齢化も大きな問題となる。65歳以上の人口が総人口に占める割合は、現在は中国が8.2%で、米国は13%であるが、50年には中国が26%となり、米国を追い越す。中国では年金制度の整備が不十分で、正規の制度がカバーする人口は3億6500万人に過ぎず、しかも資金面での大きな不足が指摘されており、今後大きな社会問題となる可能性が高い。

人口問題を解決しない限り、中国が経済成長を維持することは難しい。逆に、人口問題が成長の足を引っ張るだけでなく、社会に対する深刻な課題となることは言うまでもないだろう。(翻訳・編集/HA)

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