「僕たちは進学率上昇のための機械じゃない」教育制度を批判する高校生の仰天スピーチ―中国

Record China    2012年4月23日(月) 19時36分

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9日、中国・江蘇省啓東市のある高校で行われた国旗掲揚式で、その事件は起きた。「こんなふうに変質してしまった教育を受けて、何の役に立つのだろうか?」―3000人を前にスピーチを行った学生代表は、現在の教育制度を糾弾する内容の演説を行った。写真は中国の学校。

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2012年4月9日、中国・江蘇省啓東市のある高校で行われた国旗掲揚式で、その事件は起きた。「こんなふうに変質してしまった教育を受けて、何の役に立つのだろうか?大学に進んで何になる?就職してどうなる?」「僕たちは機械じゃない。たとえ機械だったとしても、学校の進学率を上げるための道具にはされたくないんだ」―3000人を前に、学生代表としてスピーチを行った江成博(ジアン・チョンボー)くんは5分間にわたり、現在の教育制度を糾弾する内容の演説を行った。これは、事前に教師に提出した原稿とは、まったく異なる内容のものだった。揚子晩報の報道。

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国旗掲揚式はこの学校にとっては恒例行事。国旗の掲揚を行った後は、学生にとって“ためになるお話”が待っている。この日のテーマは「いかにして大いなる理想を打ち立てるか?」だった。2年生の江くんが、これについて学生を前に話すことになっていた。内容はもちろん、事前に教師がチェック済み。いくつかの修正を経てOKが出ていた。しかし、スピーチが始まると、彼の語気になにやら不穏なものが。教師らもすぐに様子がおかしいことに気付いた。「こんなものが、16年間受けてきた教育の成果なのだろうか?こんな生活が、僕らの求めているものなのだろうか?」と強い口調で語りはじめ、その後、現在の受験制度や、両親の期待に強いられて勉強することの苦しさを訴えた。教師らは青ざめたが、とりあえず江くんの演説を制止せず、最後まで聞き取ることにした。

道徳教育の先進校として、この定例のスピーチを非常に重視してきたこの学校。スピーチする権利を与えられるのは、学業も人格も申し分ない学生だけ。スピーチの内容にも当然、教師らの厳しい検閲が入る。江くんは成績も優秀で、社会活動などにも積極的な模範生だった。しかし、本番になって江くんはこっそりすり替えた原稿を持ち込み、一部の学生から熱烈な拍手を得た。

この問題スピーチに対し、副校長は記者の取材に応え、「場所をわきまえない不適切な内容で、言葉も過激だ」と批判。「最近読んだ本の影響もあり、彼は単に目立ちたかったのではないか?」としたが、「我々は寛容に、正しい教育の在り方を堅持すべき」として、江くんに具体的処分を下さない方針を明らかにした。当時、スピーチを中断する手段はいくらでもあったが、「彼の尊厳を傷つけてはいけない」との観点から、最後まで話を聞いたという。なお、江くんはお叱りを受けただけで、現在もこの学校に通学している。(翻訳・編集/愛玉)

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