<コラム>日本の「チャーシュー」の由来にも、中国人は豚肉大好き、鶏料理も豊富

配信日時:2018年6月4日(月) 19時10分
日本の「チャーシュー」の由来に、中国人は豚肉大好き、鶏料理も豊富
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中華料理で使われる肉食材として最もポピュラーなものは豚肉だが、もう一つの主役ともいうべき料理がある。それは鳥肉料理だ。写真は海南チキンライス。
中華料理で使われる肉食材として最もポピュラーなものは豚肉だ。日本でもなじみのあるホイコーローやチンジャオロースなどの料理も中国では一般的には豚肉が使われる。

中国の産業系情報サイト・中国産業信息網の2017年の記事によると、中国の2016年の豚肉の消費量は5407万トンで、それに対して牛肉消費量は767万トン。日本では牛肉と豚肉の消費量の差は2倍ほどでどちらもよく食べられているが、中国ではその差は7倍以上。近年は牛肉の消費量も増えてきているというが、中華料理の主役はやはり豚肉だといえるだろう。

そんな中華料理にはもう一つの主役ともいうべき料理がある。それは鳥肉料理だ。鳥肉を使った中華料理と聞いても、日本ではバンバンジーや北京ダック、最近よく見かけるようになったよだれ鶏ぐらいしか思い浮かばないかもしれない。しかし中国本場では多様な種類の鶏やアヒルなどの鳥料理があり、レストランでも欠かせないメニューとなっている。

「カオマンガイ」という鶏料理がある。シンガポールやマレーシアなどの東南アジア由来のエスニック料理として、近年日本でもポピュラーになっている。ゆでた鶏を冷まし、チキンスープで炊いた米に添えて出す庶民的な料理だ。酸味の利いた甘辛くスパイシーなタレや、ニンニクの利いた塩ダレ、醤油ベースのタレなどさまざまなバリエーションの味つけで食べる。

この料理に使うゆで鶏は、単にゆでて火を通しただけのものではなく、最大の特徴は鶏肉の柔らかさにある。一旦熱を取って饗(きょう)されるその鶏の肉は、口に入れた瞬間に鶏の肉特有のプリッとした弾力とともに、つるりと喉に入ってしまうほどの柔らかさがある。

この柔らかさを保つ最大の秘訣は、一旦加熱したあとは余熱で火を通し、骨までは火が通らない程度で止める点にある。低温で火を通すことで、その肉は生のような柔らかさを保つことができるのだ。

このカオマンガイは、別名「海南チキンライス(海南鶏飯)」とも呼ばれ、もともとは中国南部、広東省の南の海に浮かぶ中国最大の島、海南島の地元料理が発祥。シンガポールやマレーシアなどの東南アジア地域は、古くから現在の広東省などの中国南部の沿海部から多くの華僑が渡ってきた。そのような人々がもたらした地元の味が受け継がれ、独自に発展したものがカオマンガイとして今でも東南アジア各地で広く食されている。

この発祥地である海南島は、鶏を非常に盛んに食べる地域として有名だ。海南島では年越しなどの行事がある度に、多くの家庭でたくさんの鶏を買い求めるという。しかし、このような鶏料理は実は海南島だけのものではない。海南島の対岸、広東地域の広東料理にも同じような冷製の蒸し鶏料理がある。この料理は「バイチエジー(白切鶏)」と呼ばれるもので、カオマンガイのようにライスとともに饗されるわけではなく、鶏肉だけがおつまみのように冷製で出される。スパイシーなタレで食べるよりも、通常はニンニクの利いた塩ダレで食べるのが一般的だ。

広東省のレストランでは見ないことがないというほど一般的で、宴会などでは欠かせない料理の一つ。その肉のつるりとした柔らかさや骨までは火を通さない程度のさじ加減はカオマンガイのそれと非常に似ている。

広東料理のもう一つの代表的なおつまみ料理として「シャオラー(焼臘)」というものがある。これはさまざまな種類の肉をタレとともにあぶり焼きし、おつまみ感覚で食べるものだ。日本のラーメンの具材として欠かせないチャーシューも、このシャオラーの中の「チャーシャオ(叉焼)」という豚肉のあぶり焼きが言葉の由来になっていると思われる。

そしてこのシャオラーには、アヒルのあぶり焼きの料理もあり、種類は多種多様だ。そのようなシャオラーは、広東省の庶民的な食堂ではライスに付け合わせて饗されることも多い。海南島の料理も広東料理の一部といえるもので、カオマンガイもそのような広東料理のおつまみ料理をライスと付け合わせて出すという庶民感覚から来ているのかもしれない。

■筆者プロフィール:コーシン
1980年生まれ、京都府出身。大学卒業後、中国現地上海のテレビ制作プロダクションに勤務。日系広告代理店勤務を経て、日本企業にて中国での業務に従事。在中国期間は通算で10年近く。
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