「日本語が全然わかりませんが…」=声をかけてきた青年は震災復興支援ソングを大声で歌った―中国人学生

配信日時:2018年5月27日(日) 16時10分
日本語がわからない中国人青年が、震災復興支援ソングを大声で歌った
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作文コンクールを主催する日本僑報社・日中交流研究所は、2017年の国交正常化45周年を記念して、中国で初めての「日本語の日」の創設を検討している。そんな「日本語の日」に何ができるか。河北工業大学の宋妍さんは作文につづっている。
作文コンクールを主催する日本僑報社・日中交流研究所は、2017年の国交正常化45周年を記念して、中国で初めての「日本語の日」の創設を検討している。そんな「日本語の日」に何ができるか。河北工業大学の宋妍さんは作文に次のようにつづっている。

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去年11月、日本人の先生と大学の食堂へ食べに行ったときの出来事だ。お店の前で、先生と日本語でやり取りしていると、中国人の調理師さんが興味津々でこちらをジロジロ見ていて、突然「あのう、日本人ですね。この牛肉ラーメンが一番美味しいですよ。お勧めですよ」「こちらでゆっくりお待ちください。出来上がったら、お呼びしますよ」と親切にゆっくりとした中国語で先生に話してくれた。

以前は珍しい光景だったが、昨今このような優しい対応が増えている現状に、先生は驚きというよりは、むしろ喜びを感じているように見えた。「日本人とペラペラ話すなんてすごいじゃん。私にも簡単な日本語を教えてくれない?」と調理師の彼は丁寧に私に頼むやいなや、日本についていろいろ聞いてきた。なるほど、日本に興味を持っている人は少なくないのだ。

今日、日中貿易が盛んになっているため、中国に進出した日本人や、日本に第一歩を踏み出して日本文化を味わう中国人が次第に多くなっている。頻繁な日中交流の流れのおかげで、中国人の日本人に対する印象も徐々に良くなってきただろう。のみならず、日本語や日本人をもっと知りたいという中国人も多くなってきているようだ。だが、残念なことに、日本や日本語に触れ合える場が少ないという問題がある。「日本語の日」は、これを打開するのに、まさにうってつけの火付け役に違いない。

ある日の授業で見たビデオで、東日本大震災で被災者がどれだけ大きな被害にあったのか身にしみるほど感じた。そして、NHKで「100万人の花は咲く」(復興支援ソング)のミュージックビデオの活動も知った。日本人はもちろん、オーストラリア人までもビデオを投稿した。外国人が歌うと、メロディーにあまり合っていない子供みたいな歌声だったが、いつの間にか、励ましの声が心の底に届き、私もやりたい思いにかられ、職業を問わず、大学構内にいる人に声をかけて誘ってみた。予想外に、歌ってくれた人は多かった。

最も印象に残ったのは、大学の食堂で働いている青年だ。「あのう、すみません。日本語が全然わかりませんが、参加してもいいですか?」と私は調理師の服装をした彼に声をかけられたので、「はい!もちろんできますよ。教えますから」と答え、日本語の五十音からメロディーまで教えた。発音はそれほど正しくなかったが、彼は心を込めて大声で歌ってくれた。

彼のお母さんはお金を稼ぐため、現在日本で働いている。残念なことに、お母さんは日本で地震に遭ってしまった。その時通信が完全に途絶えてしまったので、心配でいてもたってもいられなかったと教えてくれた。幸いなことに、日本人のボランティアは、彼のお母さんを助けてくれ、地震発生から数日後、彼は連絡が取れた。母を助けてくれた恩返しをずっとしたいと思っていた彼は、今回の活動はちょうどいい機会だと語ってくれた。今年の母の日に、彼は撮影した動画をお母さんに送ると、受け取ったお母さんはすぐに周りの日本人に見せたそうだ。みんな「いいね」と言ってくれた。小さなことかもしれないが、その価値はみんなに認められた。

この一人の青年のおかげで、参加者が増え、中国人の運転手さんやケニア人の院生も参加してくれた。参加者の幸せな笑顔は、まるで花が鮮やかに咲き誇っているようだ。「日本語の日」に私一人では大したことができないが、日本語を学びたい中国人や、日本の何かの役に立ちたい中国人など、日本語や日本に触れ合いたい一人でも多くの人と共に、日本語を学びながら、「花は咲く」という歌を歌えば、日本人の心を癒すことがきっとできるはずだ。今、私の大学の人々は「花は咲く」を歌っている。これが中国全土に広がり、いつか国境を越え、山を通り抜け、日本人の心に届くと信じている。(編集/北田

※本文は、第十三回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「日本人に伝えたい中国の新しい魅力」(段躍中編、日本僑報社、2017年)より、宋妍さん(河北工業大学)の作品「『日本語の日』に花を咲かせよう」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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