ネット依存症、中国でも深刻化=精神障害につながるケースも―中国メディア

Record China    2012年4月14日(土) 8時38分

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9日、中国でネット依存症が深刻化している。写真は安徽省のネットカフェ。

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2012年4月9日、工人日報によると、中国でネット依存症が深刻化している。人民網日本語版が伝えた。

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会計事務所KPMGで働く閻(イエン)さんは、「1日のうち、睡眠時間を除けばずっとオンラインの状態です。パソコンを切ると、そのまま休憩時間に突入します。仕事に用いるデータはパソコンで処理する必要があるため、着席するとパソコンを立ち上げる習慣がつきました。実際には、インターネットを利用する必要性はあまりありませんが、ネット中毒にかかったのかもしれません。海南島に旅行に行った時、インターネットの利用時間が減りましたが、その数日間は不安で仕方ありませんでした。何か間違ったことをしたような気がしたのです。インターネットで何をするわけでもなく、ミニブログを更新するのがせいぜいです。あっという間に1日が過ぎ去り、多くの時間を無駄にしてしまいます」と語った。ある調査では、ネットユーザーの71%が「ネットに依存している」と回答した。IT関連会社の従業員の52%は、「パソコンもしくはインターネットを1−2日間利用しなければ、不安感に襲われる」と回答した。

閻さんのような人は少数派ではない。北京市の中心部・国貿に位置するオフィスビルで、20数名のサラリーマンとOLを対象に調査したところ、過半数が「ネットから離れられない」と回答した。これに携帯端末によるネット接続が加わり、人々はデスクでパソコンに支配され、デスクを離れても「親指族」となっている。三里屯の広告会社で働く朱虹(ジュウ・ホン)さんは、「検索エンジンへの依存が深刻で、文書を作成する際に思わず検索に頼ってしまい、自分で考えることが少なくなりました」と語った。

「分からないことがあれば百度にきけ」―これは多くのネットユーザーにとっての問題解決法となっている。中国青年政治学院に通う蕾蕾(レイレイ)さんは、「調べたいことについてまったく理解していなくても、文字を入力するだけで検索できてしまいます。他にも、漢字をよく忘れてしまいます。簡単に検索できると考えてしまい、本気になって覚えようとしません」と語った。ネット依存症について、一部の大学生の間では交流の障碍が生じている。あるネットユーザーは、「河南省の大学に通う友人がいますが、毎日ネットに依存し、引きこもっています。一週間前、この友人の担当教員から電話を受けました。話によると、友人はネットに対する過度の依存により、現実社会での交流の機会を失い、神経に異常をきたし、精神分裂病にかかったそうです」と語った。

中国のネット利用者は、毎年10%以上の増加率をキープしており、深刻なネット依存症にかかる人も少なくない。

キャリアコンサルタントの林少波(リン・シャオボー)氏は、「現代の事務による環境がネット依存症の温床となっており、本人に自覚症状がない場合が多い。人々はバーチャルの世界にこもることにより、仕事と生活のプレッシャーから逃れようとしている。ネットは適度に利用するべきで、依存の自覚症状があれば、適時調整する必要がある。退勤後は、読書によりネットに対する依存を断ち切ることができる。家族や友人と顔を合わせて交流すれば、ネット依存症にかかる確率を効果的に低減できる」と提案した。また専門家は、「バーチャルの世界にこもることで、精神的な障碍が生じやすくなり、交流が困難になる。精神病を患えば、事態はさらに深刻化する。症状が甚だしい場合は心理カウンセリングを受けるべきだ」と警鐘を鳴らした。(編集/TF)

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