専門家「米中経済貿易協議の成果はウィンウィンの選択」―中国メディア

人民網日本語版    2018年5月21日(月) 21時20分

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「米中双方が5月19日にワシントンで経済貿易協議について発表した共同声明には重大な意義があり、双方の経済貿易関係についての重要な成果だ」。中国社会科学院世界経済・政治研究所の張宇燕所長はこう評価した。資料写真。

「米中双方が5月19日にワシントンで経済貿易協議について発表した共同声明には重大な意義があり、双方の経済貿易関係についての重要な成果だ」。中国社会科学院世界経済・政治研究所の張宇燕(ジャン・ユーイエン)所長は20日、今回の米中経済貿易協議について、人民日報の取材にこう評価した。「双方の経済貿易協議が積極的、実務的で建設性と成果に富むものであり、健全な経済貿易関係の発展において多くの共通認識に至ったことは間違いない。これは米中間の経済貿易問題は協議による解決が完全に可能であることを物語っている」。張氏は「米中は世界第1、2のエコノミーであり、双方の経済貿易規模は大きく、溝や紛争が生じるのはおかしなことではなく、どう解決するのかが重要だ。双方がテーブルについて話し合うことができたこと自体に重大な意義があり、双方が問題を解決するうえでの根本的出口でもある」と指摘した。

今回の米中共同声明によると、双方は知的財産権の保護を非常に重視し、協力を強化することで合意した。双方は相互投資を促し、公平な競争の行われるビジネス環境を築くべく努力するとした。中国国際経済交流センターの張茉楠(ジャン・ロンナン)研究員は「中国は知的財産権の保護を一貫して重視し、多大な進歩を遂げ、著しい成果を挙げてもいる。共同声明での、知的財産権の保護などの構造的訴えは、中国の改革開放の大きな方向性と符合するものであり、米側がわれわれのこうしろと求めたものではなく、われわれがこうした構造的問題の解決を通じて、質の高い経済発展への転換を推し進め、素晴らしい生活への国民のニーズをより良く満たす必要があるのだ。知的財産権の保護の面での米中の協力強化は、互恵・ウィンウィンの的確な措置だ」と指摘した。

共同声明は、対中製品貿易赤字を具体的に減らす効果的措置を講じるともした。中国人民大学国家戦略・発展研究院の王孝松(ワン・シャオソン)研究員は「現在中国の対米貿易黒字は比較的規模が大きいが、中国側が故意に求める目標ではない。われわれは米中の経済貿易関係のより均衡ある発展を望んでいる。実は、米中両国経済には高い補完性がある。中所得層の拡大と経済の構造転換及び高度化に伴い、中国は潜在的需要が急速に伸びている。米国は先端製品、農業、エネルギー分野で大きな供給能力を持ち、中国が米国からの輸入を大幅に増やすことには客観的な経済的基礎があり、両国の利益にかなう」と指摘した。

共同声明は米国の農産物輸出の意義ある増加に言及した。王氏は「牛肉や大豆など米国産農産物のコストパフォーマンスは世界市場において比較的高いうえ、安定した供給能力を持つ。現在、中国の食品消費構造は高度化しており、農産物需要の拡大を招いている。米国産農産物の輸入増加は中国の食品構造の最適化にプラスであり、食品輸入の多元化を実現する。米国産食糧の輸入増加は耕地の改善・保護、一部地区の休耕実現にもプラスだ」と指摘した。

共同声明は、米国のエネルギー輸出の意義ある増加を打ち出した。張氏は「国際エネルギー市場において米国は新興供給国であり、石油・天然ガスなど十分なエネルギー供給があり、米国からの輸入増加は中国がエネルギー輸入の多元化を実現するうえで重要な意義を持つ。中国は国民の根本的利益の観点から、環境の質を改善し続け、エネルギー構造を調整しなければならない。原油の輸入増加は中国の資源の安定供給にプラスであり、天然ガスの輸入は近年の供給逼迫の緩和にプラスだ」と指摘した。

張氏は「実は中国は近年一貫して世界に積極的なメッセージを発している。中国の開放の扉が閉ざされることはなく、大きく開かれていくのみであり、開放型世界経済の構築に一層の力を与えるというものだ。米中両国の経済貿易関係は世界経済の発展にとって並大抵でない意義を持つ。三尺の氷は一日の寒さでならず。両国の経済貿易関係における長年の構造的問題の解決には時間を要する。今後両国関係の発展は新たな曲折や摩擦に直面する可能性がある。双方は上層部の意思疎通を継続し、引き続き協議によって一層の成果を得て、両国の経済・貿易協力により有利な環境を築くべきだ」とした。

「協力・ウィンウィンは米中の経済貿易にとって唯一の正しい選択だ」。張氏は「市場参入基準の大幅な緩和、より魅力ある投資環境の創造、知的財産権の保護の強化、自主的な輸入拡大といった中国の開放拡大の約束と措置は、中国の責任感を十分に示しており、世界的に広範な評価を得た。中国の改革開放の過程において、米国企業は受益者だ。中国の一層の開放拡大は、米国企業に新たなチャンスと空間をもたらした。双方が引き続き相互投資協力を強化することは、米中両国にとってプラスであるだけでなく、全世界の経済・貿易の安定と繁栄にもプラスだ」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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