日中が映画共同制作合意、文化産業を協力の新注目点に―中国メディア

人民網日本語版    2018年5月16日(水) 5時0分

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中国と日本はこのほど両国政府による映画共同制作に関する合意に調印した。合意に調印したことで日中合作映画の撮影や制作に政策的保障が与えられたことになり、両国映画界の協力促進に積極的な役割を果たすとみられる。

中国と日本はこのほど両国政府による映画共同制作に関する合意に調印した。合意に調印したことで日中合作映画の撮影や制作に政策的保障が与えられたことになり、両国映画界の協力促進に積極的な役割を果たすとみられる。中国広播網が伝えた。

今月9日の午後、日本・東京の迎賓館で、会談を終えたばかりの李克強(リー・カーチアン)首相と安倍晋三首相が二国間のさまざまな協力文書の調印に立ち会った。その1つが「中華人民共和国政府と日本国政府の映画共同制作に関する合意」だ。

日本メディアが伝えたところでは、両国政府は合意に基づいて各方面の保障を提供し、関係者の関連機関への報告、査証(ビザ)の申請、輸送設備などの作業が順調に行われるようにする。合作映画は中国国産映画と同等の待遇を受け、輸入映画のように数量制限の対象にはならないという。

中国外交部の耿爽(グン・シュアン)報道官は11日に行われた定例記者会見で、「双方の映画分野での協力が日中関係の持続的改善と持続的発展に寄与することを願う。日中平和友好条約が締結されてからの40年間、日中両国の映画界は密接な交流と協力を保ち続けてきた。中国でよく知られた日本の映画作品やテレビ作品はたくさんあり、日本でよく知られた中国映画もますます増えている。ここ数年、双方は一連の優れた映画作品を共同制作してきた。中国は世界2位、日本は世界3位の映画市場であり、双方が映画分野の交流と協力を引き続き強化し、文化産業を両国の実務協力の新たな注目点に育て上げ、両国国民の心の距離を絶えず縮めて、日中関係の持続的改善と持続的発展に新たな寄与ができることを願う」と述べた。

日本映画はさまざまな年齢層の中国の観客にとって身近な存在だ。1970年末から90年代中頃にかけて、大量の映画、テレビ、漫画アニメが中国に流れ込み、「君よ憤怒の河を渡れ」、「サンダカン八番娼館望郷」、「愛と死」、「遙かなる山の呼び声」、「男はつらいよ」シリーズなどの映画作品は中国人を楽しませ、「一休さん」、「トランスフォーマー」、「聖闘士星矢」などのアニメ作品がゴールデンタイムのテレビチェンネルを独占したこともある。

清華大学映画放送研究センターの尹鴻(イン・ホン)センター長は、「映画作品が導入されただけでなく、日中の映画協力にも早くから先例がある。中国と日本は実は80年代に合作映画や合作テレビドラマ(テレビ番組)を数多く制作し、ドキュメンタリー作品「万里の長城」、「未完の大局」などが作られた。だがいろいろな原因により、協力はその後長らく中断していた。だが新たな情勢の下、世界の局面には変化が生じ、日中関係も改善した。この文化的な融合性と相互補完性が高い2つのアジア大国にとって、映画共同制作の機会は実は多い」と述べた。

昨年の中国の映画興行収入は559億元(約9500億円)に達した。一方、日本の映画市場は長年にわたり「厳しい冬」を迎えており、17年の興行収入は2200億円、人民元にして約127億元だった。日本の映画チケット価格はこの10年間ほとんど変わっていない。中国映画市場の急速発展により、日本の映画関係者の多くが中国映画に注目し、これを研究するようになった。

「空海KU−KAI」は昨年最も注目された日中合作映画だった。日本の有名作家・夢枕獏の幻想的な小説「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」が原作で、チェン・カイコー(陳凱歌)監督がメガホンを取り、王恵玲が脚本を担当した。日本の映画関係者・椎名保氏は、「映画業界としては合意調印後に、『空海』のような売れる合作映画がより多く誕生することを願う。中国映画には投資家は大勢いるが、残念ながら題材が不足している」と話す。

尹センター長は、「日本映画は世界で強い影響力を持ち、日本的要素は世界で幅広く受け入れられている。日中合作映画は中国映画の国際化にプラスになるだろう。日本映画は工業化レベルが世界最高とはいえないが、日本文化の強力な特徴を備えており、日本映画には日本文化と世界文化との融合性がよく表現されている。両国間の映画合作が強化されれば、中国映画のアジア地域や世界市場における影響力拡大、国際競争力増大にとって積極的な意義があるといえる」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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