中国で大ヒットの「旅かえる」活用してアリババがビジネス展開

人民網日本語版    2018年5月16日(水) 8時40分

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日本のスマホアプリ「旅かえる」がリリースされると、中国でもすぐに大人気となり、その中国語版の内部テスターが最近、ショッピングサイト・淘宝で行われた。

日本のスマホアプリ「旅かえる」がリリースされると、中国でもすぐに大人気となり、その中国語版の内部テスターが最近、ショッピングサイト・淘宝で行われた。中国語版は、使用言語が中国語になっているだけでなく、かえるの旅先が中国国内になり、旅行先から送られてくるポストカードも中国の名所旧跡や人気観光地になり、全体的にローカライズされている。その他、中国での独占配信権利を有する阿里巴巴(アリババ)傘下の版権取引プラットフォーム・阿里魚は、その版権を活用してビジネスを展開している。業界関係者は、アリババが運営する淘宝は今後、「旅かえる」関連の商品を大きく宣伝、販売すると見ている。もしかすると、かえるが送ってきたり、持って帰ってきたりするのは、ポストカードやお土産ではなく、淘宝のクーポン券である可能性もあるという。北京商報が伝えた。

■淘宝で買い物しながら「旅かえる」で遊ぶ

「旅かえる」は社会現象を巻き起こしており、2017年末から中国では大ヒットとなっている。アリババグループは4月2日、「旅かえる」を開発した「ヒットポイント」と戦略的提携を結び、中国大陸部での独占配信権利を獲得したことを発表。今月6日から内部テスターが始まった。内部テスターでは、淘宝のユーザーにプッシュ通知がランダムに送られ、それを受け取ったユーザーは「旅かえる」をダウンロードしなくても、淘宝のアプリを通して中国語版を体験できる。中国語版は日本語版と比べると、大きくリニューアルされている。

中国語版では、かえるの旅先が中国国内になり、旅行先から送られてくるポストカードも中国の名所旧跡や人気観光地になるなど、ローカライズされている。また、お土産として北京名物の食べ物を持って帰ってくるほか、「おべんとう」は焼き包子、焼き豆腐、「どうぐ」は玉の飾り、マフラーなどがある。

■中国らしいお土産

このように中国に合わせてローカライズされたことで、ネットユーザーらの想像力が掻き立てられ、多くのネットユーザーが、アリババの微博(ウェイボー)公式アカウントに、「かえるが送ってくるポストカードは、動画配信サービス・優酷を1カ月無料で体験できるカードやアリババの5元(約85円)券、ショッピングサイト・天猫の50元クーポン券などに変わるのでは?」、「第三者決済サービス・支付宝(アリペイ)を通して『旅かえる』をすると、クーポンがもらえたりするようになるのでは?」など、「旅かえる」の中国語版が、アリババの販売促進プラットフォームになるのではとの予想を寄せていることは注目に値する。

それらの予想にはある程度の根拠がある。アリババは最近、「中国での『旅かえる』独占配信権利を持っている阿里魚は、その商品化やマーケティングなどの分野における提携を全面的に展開し、新小売りというトレンドに乗って、各ブランドや事業者がブランド力や商品の競争力を向上できるようサポートする」との見方を示した。

阿里魚では、すでに「旅かえる」関連の提携が申し込めるようになっている。阿里魚によると、「旅かえる」は今後、淘宝化され、祝祭日・イベントに合わせてマーケティングを実施し、商品の販売権利、マーケティングの権利の販売、観光地との提携など、版権を全面的に活用してビジネスを展開する。それらが実現すれば、ネットユーザーの予想が現実となるのだ。

■プレイヤーの購買意欲を刺激

インターネット、ゲーム産業の評論家・張書楽氏は、「アリババが『旅かえる』の配信権利を取得した目的は、自社の商品のPRを強化することだ。アリババはゲーム産業チェーンの開拓を行い、文化・娯楽の生態圏を構築している。しかし、アリババは『旅かえる』を過度にリニューアルして、その体験にまで影響を与えることはせず、エンベデッド式ゲームのスタイルを通して、プレイヤーのアプリ内にとどまる時間を延ばすよう努めるだろう」と予測している。

「旅かえる」では、かえるの旅行先をプレイヤーが決めることはできず、できるとすれば、「おべんとう」や「どうぐ」を変えて、行き先の方向性に影響を与える程度だ。張氏は、「アリババは今後、ビッグデータを通してプレイヤーの行動、習慣を分析し、関連の商品をプッシュ通知したり、旅行アプリ『飛猪』で使える旅行クーポンを提供したりするのではないか」と予想している。

収益という観点から見ると、アリババは阿里魚のプラットフォームを通して、短期間のうちに版権を活用して資金を集めることができ、長期的にみると、人形や関連の装飾品など、「旅かえる」関連の商品を販売することができる。張氏は、「プレイヤーは、ゲームをしていると、購買意欲が刺激される。アリババはその種のスタイルの提携を通して、ユーザーロイヤルティを強化し、文化・娯楽の生態チェーン構築を目指す」と予想している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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