中国提唱の「日中韓+X」協力モデル、恩恵は幅広く―中国メディア

人民網日本語版    2018年5月12日(土) 14時0分

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中国国家発展改革委員会と商務部は日本との間で「サービス貿易協力の強化に関する覚書」と「日中の第三国市場協力に関する覚書」の2つの文書に調印し、両国のサービス貿易協力には再び「追い風」が吹くことになった。資料写真。

中国の李克強(リー・カーチアン)首相は9日、東京で開催された日中韓サミットに出席した際、「日中韓は発展レベルでアジアにおいてトップを占めているため優位性を結集し、『日中韓+X』協力モデルを通じて、共同で第4国の市場だけでなく、多方面での市場まで開拓していき、同地域の国々のよりよい、よりスピーディーな発展を牽引し、促進させていくべきだ」と述べた。同じ日に、中国国家発展改革委員会と商務部は日本との間で「サービス貿易協力の強化に関する覚書」と「日中の第三国市場協力に関する覚書」の2つの文書に調印し、両国のサービス貿易協力には再び「追い風」が吹くことになった。北京商報が伝えた。

李首相は「アジアには数多くの国が存在し、その発展レベルの差はやや大きい。日中韓三国はアジアにおいてトップを占めているため、優位性を結集し、『日中韓+X』協力モデルを通じて、生産能力協力や貧困削減、災害管理、省エネ環境保護といった分野において協力プロジェクトを実施し、三国の装備や技術、資金、プロジェクト建設といった方面における各自の優位性を発揮し、共同で第4国の市場だけでなく、多方面での市場まで開拓していくべきだ」と述べた。

また、「日中韓は『一帯一路(the Belt and Road)』について共に話し合い、共に建設し、共に分かち合い、政策をめぐるコミュニケーション・協力を一層強化し、日中韓の企業がさまざまなスタイルで協力を展開するよう誘導する必要がある」と述べた。

データをみると、日中韓はアジアの主要エコノミーであり、国内総生産(GDP)は合わせて15兆ドルに達し、欧州連合(EU)を上回り、東アジアのGDP総量の90%、世界のGDP総量の20%を占める。経済でそれぞれに優位性があり、相互補完性は高い。地理的には非常に近い位置にある。よって業界では、緊密な協力を推進することで、力強いパワーを生み出すことができると考えられている。

商務部国際貿易経済協力研究院国際市場研究所の白明(バイ・ミン)副所長は、「『日中韓+X』の『X』とは、具体的な第4国を指すともいえ、日中韓が協力を一層深めることのできる具体的な分野を幅広く指すともいえる」との見方を示した。

協力を展開する国についての分析によると、日中韓はこうした「3+X」協力モデルをすでに試行しており、20年以上の歴史があるASEANと日中韓の「10+3」協力プロセスはその一例だ。過去20年にわたり、ASEANと日中韓は財政金融、エネルギー、地域一帯化、中小企業向けサービスなど多くの分野で密接かつ深いレベルでの協力を維持してきた。これからの「日中韓+X」新モデルにおいて、ASEANの多くの国々が「パイの分け前に預かる」可能性があるという。また業界の専門家は、「一帯一路」協力のイニシアティブは発展しているところで、多くの参加国が産業構造や経済構造という点で日中韓と高い相互補完性を有する。こうした国々が「日中韓+X」協力モデルを積極的に推進したなら、素晴らしい効果を上げることが期待できるという。

白副所長は協力分野について、「日中両国はともに高速鉄道製造技術を備え、これまでは世界市場で激しい競争を繰り広げて、双方とも利益が薄くなってしまった。『日中韓+X』新モデルなら、両国のハイレベル協力を実現できる可能性がある。たとえば中国が実際の施工を担当し、日本が金融面で融資を提供するという具合だ。韓国も車両設備の共同製造など参加することができる」と例を挙げた。

また白副所長は、「実際、『日中韓+X』は公式のようなもので、どのような潜在的第4国市場との協力も、具体的な分野での協力も、この式に代入することができる。つまり将来には『日中韓+ASEAN』や『日中韓+高速鉄道』などさまざまな変形式が生まれる可能性がある。これもまた私たちが期待を寄せている点だ」と述べた。

中国国際問題研究員アジア太平洋研究所の宋均営(ソン・ジュンイン)副所長も、「日中韓協力のメリットを改めて生かすことは、米国の保護貿易主義や一国主義といった時代の潮流に合わないやり方への適切な対応であり、日中韓にとって、北東アジア地域全体にとって、ひいては世界にとって積極的な意義があるといえる。日本と韓国は安全保障上は米国の同盟国だが、経済面ではこれまずっとアジア太平洋地域や東アジアでの協力プロセスに溶け込んできたのであり、自由で開放的な貿易体制と地域の秩序を維持することは、日中韓の共同の利益に合致する」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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