中国の都市流入人口、2億人に=社会保障問題の壁あり、更なる流入は困難?―中国メディア

Record China    2012年3月29日(木) 8時8分

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26日、人民網日本語版は中国の都市化による問題点について報道した。出稼ぎ労働者が抱える問題を解決するには、戸籍制度上の各種保障や各種社会福利制度を改革する必要があるという。写真は中国・江蘇省南京市の出稼ぎ労働者。

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2012年3月26日、人民網日本語版は中国の都市化による問題点について報道した。中国の都市化率は50%を上回ったが、都市に住む流動人口2億人の定住問題解決への道は険しい。目覚ましい勢いで進む都市化は、どんな後遺症を残したのか?農村から都市部に出て働く2億人の農民工は、いかにして都市生活に溶け込むのか? 中国のニュースサイト・中広網が伝えた。

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中央農村工作指導者チームの陳錫文(チェン・シーウェン)副主任は25日、「2012年中国都市化高層国際フォーラム」において、「ローコスト要素の投入を前提に中国の都市化率が急上昇していることで、インフラ・公共事業の不足が顕在化している、一部の人々に対する社会保障が行き届いていない、公共サービス力が都市の拡大に追いついていない、などの問題が生じている。これらの状況を改善しない限り、現行の中国都市化モデルは持続不可能となる」と指摘した。

統計によると、中国の都市化は2011年末時点で51.3%に達し、都市人口が農村人口を上回ったことになる。しかし、上海市の楊雄(ヤン・シオン)常務副市長は、「都市人口の急増は、都市の運営や公共サービスに圧力をもたらすだけではなく、新たな二元化構造も形成した」と語った。

楊常務副市長は、「上海の居住人口は2300万人、このうち戸籍人口1400万人あまりだ。流入人口と戸籍人口とをどのように融合させるかは、我々に突き付けられた新たな課題となっている」との見方を示した。

陳副主任は、「中国では現在、都市に住む3人に一人は定住に関する問題を抱えており、流動人口約2億人の都市戸籍取得に関する問題の解決に迫られている」と語った。

また陳副主任によると、全国民の51%を占める都市人口のうち多くの人が、都市で就業しているにもかかわらず、都市住民待遇を得ていない。彼らが市民として正式な身分を獲得するまでには、まだかなりの時間がかかり、さまざまな体制改革や経済社会発展に向けての事業を推し進める必要があるという。

国家発展改革委員会(発改委)の彭森(ポン・セン)副主任は、「この現状は、表面的には戸籍に絡む問題のように見えるが、本当は社会保障面での問題だ」と指摘した。

さらに彭副主任は、「つまるところ、戸籍制度上の各種保障や各種社会福利制度を改革する必要がある。農村から都市に移住した農民や農民工が、都市戸籍住民と同じ基本公共サービスを享受できることが、その核心となる」と強調した。

約30年前にわずか18%だった中国の都市化率は、現在51%まで上昇、毎年約1%というハイスピードで進んできた。しかし、陳副主任は、「ローコスト要素の投入を前提に実現したこのような急速な都市化は、多くの代償の上に成り立ったもので、そのやり方を今後も続けることは難しい」との見方を示した。(編集/内山

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