日本政府の増税プラン、構想はよいが国民には不評―中国メディア

人民網日本語版    2018年5月7日(月) 23時0分

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日本政府は昨年末、2018年度税制改正の大綱を発表し、所得税増税が重要な方向性として打ち出された。増税政策は国民の反対に遭っただけでなく、与党・自民党の内部からも反対の声が上がった。

日本政府は昨年末、2018年度税制改正の大綱を発表し、所得税増税が重要な方向性として打ち出された。増税政策は国民の反対に遭っただけでなく、与党・自民党の内部からも反対の声が上がった。総合ニュース誌「瞭望東方週刊」が伝えた。

日本政府の所得税増税のねらいは何か。日本政府は2019年10月から消費税率を引き上げる予定だ。以前に5%から8%に引き上げられた税率は、今度は10%に引き上げられ、財源の確保、財政の充実、政府負債割合の引き下げなどに充てられる見込みだ。

増税の影響を緩和するため、日本政府は企業に対する減税政策を同時に打ち出し、企業の活力を強化するという。

たとえば、社員の賃金を毎年3%引き上げると同時に設備投資を増やした大手企業には、法人税を最大で20%減免する。中小企業は賃金を1.5%引き上げれば、同じように法人税が減免される。

また、日本政府は設備投資を増やした中小企業を対象に固定資産税を減免し、中小企業の発展を促進するとしている。

さらに日本政府はたばこ税も引き上げる。

安倍政権の税金政策についての考え方は、消費税率を引き上げ、税源を直接増やすとともに、企業に対する減税を実施して、企業の活力を高め、企業が社員の賃金を引き上げるよう促す。社員の賃金が上がれば、消費が自然に伸びて、消費税収入が増える。社員の賃金が上がった後、所得税を増税して、所得税によって財源を確保する、というものだ。

こうした構想は一見素晴らしいものだが、経済が成長を維持し、社員の賃金が年々上昇することが前提だ。どこかに問題が生じれば、政府の増税プランは困難に陥る。今年の春闘(毎年春に行われる労働条件の改善を要求する労働運動)では、ほとんどの企業が賃金の3%引き上げという目標を達成することができなかった。

国民の反対の声を抑えるため、日本政府は全体としては所得税増税だが細かい調節を行い、高所得層は増税、低所得層は減税とした。

日本政府は年収850万円超の層は増税とし、フリーランスなどは減税にするとしている。

ここで注目しなければならないのは、22歳以下の子どもを扶養する子育て世帯や介護世帯は増税の対象から除かれるという点だ。

「年収850万円以上で扶養すべき子どもがいる世帯は増税の対象から除く」という政策は、日本社会で議論を呼んでいる。

多くの人が「高所得で子どもがいない人はたくさん税金を払わなければならないというのはおかしい」と感じ、「高所得層は子どもがいてもたくさん税金を払うのが当然」と考える人もいる。

政府関係者は、「この調整は子どもがいない高所得世帯と子育て世帯の実質的な所得格差を縮小する上でプラスになるものであり、税制はより公平で合理的になる」との見方を示す。

▽日本国民には不評

一般の日本国民はこのたびの税制改正をどのように見ているのだろうか。東京の街角でインタビューしてみた。

インタビューの結果、反対の人が多いことがわかった。会社員の梁田さんは、「個人所得税増税はよくない。子どものいない世帯だけ増税というのはおかしい」と答えた。

会社員の中村さんは、「所得税を増税するなら、サラリーマンの暮らしが影響を受け、可処分所得がさらに減ることになる。自分の来年の賃金が本当に3%も上がるかわからないし、会社の利益も3%も増えるとは思えない。賃金を3%引き上げる財源がどこにあるというのか。それに賃金引き上げは増税の理由にはならない」と述べた。

一方、政府の方針に賛成の人もいる。フリーランスの女性は、「今の日本の経済状況はそれほどよくないので、消費税によってみんなが公平に税金を負担するのがいいと思う。世界の消費税率が高い国では、老後の暮らしが安心なので、こうした国に学ぶべきだ。日本では年を取っても年金がもらえないという状況があるので、消費税を年金の財源に充てるなら、自分は消費税率の引き上げに賛成する」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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