バス新路線、営業初日に襲撃=別のバス会社職員らが運転士を殴るける―陝西省

Record China    2018年4月26日(木) 21時50分

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陝西省の西咸新区で24日、試験営業初日だった路線を走るバスが複数個所で襲撃され、運行ができなくなった。襲撃した側は、咸陽市交通局や別のバス会社の職員と自称した。

陝西省の西咸新区で24日、試験営業初日だった路線を走るバスが複数個所で襲撃され、運行ができなくなった。襲撃した側は、咸陽市交通局や別のバス会社の職員と自称した。現地メディアの華商網などが伝えた。

西咸新区は、陝西省西安市と同省咸陽市の境界部分で、両市の一体的発展を図るために設けられた地区だ。バス会社の西咸公交集団が新たにX202路線を開設して24日に試験営業を始めた。同路線は空港新城管理委員会と天雄西路興信路口を結び、全長は約24キロメートルだ。

ところが同日午前6時50分ごろ、同路線を走るバスが腫瘤医院付近で多数の男に襲撃された。男らは乗用車や別のバス車両でX202路線のバスの前後をふさいで走行不能にしてからバスに乗り込み、運転手を引きずり降ろして殴るけるなどした。さらに乗客を追い出し、バスのエンジンキーを奪った。

同様の襲撃が同日午後2時ごろまで続いた。救援に向かったバス車両も襲撃されてエンジンキーを奪われ走行できなくなり、X202路線は営業運転ができなくなった。襲撃した側は咸陽市交通局や別のバス会社である咸陽市公共交通公司の職員と自称した。

西咸公交集団は24日夜、X202路線の営業運転は暫定的に中止する旨の謝罪文を発表した。営業運転を見合わせる理由は、乗客の生命や財産の安全を確保するためとした。

西咸新区は西安市と同省咸陽市にまたがって設定されている。咸陽市公共交通公司は事件発生後、「X202路線は咸陽市領域を通過しているが、咸陽市当局の交通運輸の主管部門の許可を得ておらず、非合法営業だ。市の物価主管部門の許可も得ずに運賃を非合法に設置した」などと西咸公交集団を非難した。ただし、自社と襲撃事件との関係などについては触れなかった。

咸陽市交通運輸管理処の袁暁勇(ユエン・シャオヨン)副処長は取材に対して、「西咸公交集団が事前協議なしでバスを運行させたので、バスが咸陽市に入ったところで咸陽市公共交通公司の一部職員が運行を阻止した」と説明。ただし、咸陽市の職員は加わっていないと主張した。

襲撃の理由については、X202路線は咸陽市内も通っているので、咸陽市公共交通公司と乗客獲得で競合関係にあるからと説明。ただし、バス運行を阻止した方法は妥当ではないとして、咸陽市公共交通公司の職員に対して指導教育を行う考えを示した。

襲撃側がX202路線バスの運転士を殴るけるなどしたことについては、押し合っただけで、伝えられるような暴行ではないと説明。ただしインターネットでは、バスから引きずり降ろされて道路に倒れる運転士の姿などが広まった。一時は倒れて動けなくなった運転士とみられる画像を紹介するネットメディアもあったが、日本時間26日午前9時半までには閲覧できない状態になった。

西咸新区城郷管理局は25日、同件について咸陽市側と十分に協議しており、X202路線バスは近日中に正式に営業を開始すると発表した。西咸公交集団はX202路線の営業運転について、西咸新区城郷管理局の許可は23日付で取り付けていた。

中国では、近隣都市の一体的開発の必要性がしばしば強調される。しかし、都市間の競争心がさまざまな面で極めて強いので互いに協調できず、うまくいかない場合がある。例として、北京市については上海市などと異なり海に面していないことが発展の障害になっているとして、港湾都市である天津市との一体的開発が必要との指摘があった。そのため1990年代末までには、天津市と合併し「大北京」として開発を進める構想が提出された。しかし天津市側の反発で実現せず、2014年になってから習近平(シー・ジンピン)政権が指導力を発揮し、北京・天津・河北を「首都圏経済圏」として一体化開発を進めることが国家戦略として定められた。(翻訳・編集/如月隼人

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