中国人がドワンゴ本社を見学、「最先端企業が伝統を尊重」「従業員を紳士に育成」と仰天―中国メディア

Record China    2018年4月25日(水) 12時50分

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中国メディアの環球網は24日、東京のドワンゴ本社を見学した中国人の手記を発表した。最先端を行く企業が自国の伝統を尊重していることや、従業員を「紳士」にすべく育成していることに、強く感銘したようだ。資料写真。

中国メディアの環球網は24日、東京のドワンゴ本社を見学した中国人の手記を発表した。事実関係の誤認もあるが、日本の有力IT企業の内部を自分の目で見て感じた、新鮮な驚きが伝わってくる。最先端を行く企業が自国の伝統を尊重していることや、従業員を「紳士」にすべく育成していることに、強く感銘したようだ。

手記の筆者の現在の活動拠点は不明だが、IT業界で長く働いており、日本での仕事の経験も長いと自身を紹介した。記事の見出しでは「敵情を探る」の文言を用いたが、日本を敵視しているわけではなく、日本のIT企業を「ライバルとしてリスペクト」している心情が伝わってくる。日本については「アジアの科学技術大国であり続けた」と説明している。

24日に行われた、日本を訪れた中国の業界関係者によるドワンゴ見学に参加したという。文章の冒頭で、「東京の歌舞伎町にあるドワンゴを訪問した」と紹介した。ただし、ドワンゴ本社があるのは東京都中央区銀座にある歌舞伎座タワーで、新宿区にある歌舞伎町ではない。中国人の間では、風俗店が集中する街として歌舞伎町の知名度が高いので、歌舞伎座と歌舞伎町を混同してしまう場合も多いようだ。

ドワンゴ本社紹介でははまず、オフィス入口からの廊下の壁に、歌舞伎役者の衣装を着けた4人が来訪者を出迎えるために正座をして頭を下げる写真が貼られていることに注目した。また、畳敷きのミーティングルームがあることにも注目。さらに、社内に大相撲の番付表が掲げられていたことも取り上げ「伝統の効果を蓄積ととらえるならば、それは進歩の敵にはならない」として、ドワンゴに伝統を尊重する雰囲気があることを評価した。

また、従業員の服装がさまざまであることにも触れ、「日本の一般的な企業とは違う」「最先端企業は、背広着用というワンパターンから脱却しつつある」と紹介した。

見学した中国のIT業界関係者が特に奇異に感じたのは、従業員のデスクとデスクに仕切りがなかったことだったという。中国のIT企業などでは従業員が互いに邪魔にならないようデスクには「隔壁」が設けられることが当たり前であるからだ。筆者は、見学者の中には理解を示さない者もいたとした上で、「日本での仕事経験が長い私にとっては不思議ではない」と説明。日本の労働者には集団主義の教育が十分に行きわたっており、「(手元から)頭を上げた途端、上司の『頑張れよ』という視線に気付くこと」には慣れていると論じた。

筆者がさらに注目したのは、社内に貼られていた各種の標語だ。「価値ある成果を毎週必ず届けよう」とする標語にある6項目の「大きな問題は小さくする」「本当に大事なことに集中してそれ以外のことは忘れる」などをすべて紹介。それ以外にも「あいさつの徹底」「みんなでつくるチームのノウハウ」「機械にさせて楽をしよう」「ITツールの活用」などの内訳をすべて紹介し、ドワンゴは「細部を重視し、記録の共有を強く意識し、匠(たくみ)の職人の精神を求めている。人材育成の結果、成功した人は紳士になるはずだ」と論じた。

同文章は、中国で時おり発表される日本社会を絶賛する論調ではない。しかし、ドワンゴ本社を日本の最先端・有力日本企業の状況として紹介し、特に壁に貼られた標語については「震撼(しんかん)させられた」と、従業員育成に対する注力に驚きを示した。(翻訳・編集/如月隼人

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