中国のハイテク産業の発展にブレーキ?中国通信機器大手に対する米国の制裁に注目集まる―中国メディア

人民網日本語版    2018年4月27日(金) 5時50分

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米商務省がこのほど、米企業に対して中国通信機器大手・中興通訊への部品輸出などの取引を7年間禁じる措置を発表したことに、中国の産業界も注目している。

米商務省がこのほど、米企業に対して中国通信機器大手・中興通訊(ZTE)への部品輸出などの取引を7年間禁じる措置を発表したことに、中国の産業界も注目している。同措置が中国のハイテク産業の急速な発展の足かせになる可能性はあるのだろうか?中国はこの制裁にどう対応するのだろう?人民日報が伝えた。

■輸出規制は中国のハイテク産業の急速な発展を阻めない

中国国家発展改革委員会マクロ経済研究院の王昌林(ワン・チャンリン)常務委副院長は、「米国商務省が発表した中興通訊への部品輸出などの取引を7年間禁じる措置は、中国のハイテク産業の発展に一定の影響を及ぼすだろうが、その急速な発展の足かせとはならない」との見方を示す。

その理由について、「中国は世界のハイテク産業チェーンにおいて重要な役割を果たしている」からと説明。「米国が中国に対する主要技術の輸出を大規模に制限すれば、中国に影響が及ぶのは確実であると同時に、米国、日本、韓国の電子情報産業にとっても打撃となるのは必至。また、米国などの先進国の製造業は主にハイテク製造業が支えており、ハイテク産業が打撃を受ければ、米国の関連の研究開発サービスなどの業界、ナスダックなどの資本市場にも影響を及ぼし、結局は米国の経済、世界の経済に重大な影響を及ぼすだろう」と指摘する。

中国のハイテク産業はイノベーションの分野で重要な進展を見せており、加速して強大になるための多くの優位性を身に着けるようになっている。王副院長は、「中国ではすでに、整備が進み、サポート業務がそろい、能力が巨大な産業体系が形成され、イノベーション型リーダー企業が誕生するようになっている。長年の努力の結果、中国は現在、マイクロチップ、オペレーティングシステムなどの分野で、知的財産権を有する技術、商品を持つようになっており、国防・軍需産業などの分野でも大規模な応用が実現し、ハイテク産業が加速して強大になるための基礎ができている。国内市場の規模や発展のポテンシャルは巨大で、強大な内需がコア技術の研究開発、産業化を促進している。これは他の多くの国にはない強み」と分析する。

そして、「貿易摩擦や技術的障害は、一国のハイテク産業の発展を阻むことができないことを実践は証明している。1970年代、半導体産業の分野で、米国と日本の間で貿易戦争が発生したが、日本の半導体産業の台頭を阻むことはできなかった。また、近年、米国などは中国の太陽光発電産業に対して、アンチ・ダンピング調査を行い、相殺関税を課してきた。しかし、中国の太陽光発電産業の急速な発展の足かせとはならなかった。そして、航空・宇宙飛行、炭素繊維などの業界を見ると、先進国の技術封鎖は逆にそれらの業界のイノベーション能力向上につながっている」と指摘する。

■中国はハイエンドマイクロチップの自主研究開発・製造可能

第13次五カ年計画(2016−20年)国家重点研究開発計画「光電子とマイクロエレクトロニクスの部品、集積回路」の重点特定項目専門家グループのグループ長を務める中国科学院半導体所の祝寧華(ジュウ・ニンホア)副所長は、「中国は近年、光電子の分野の科学技術革新をサポートしており、豊富な革新的成果を上げている」とする。

祝副所長によると、国家ハイテク研究発展計画(863計画)の第12次五カ年計画(2011−15年)だけを見ても、中国政府は、ブロードバンド通信や高性能コンピューターなどの多くの分野で、光電子の部品に焦点を絞り、取り組みを行っている。「それらの研究開発プロジェクトの多くは、将来に目を向けた取り組みで、中興通訊が今回米国から輸入できなくなったマイクロチップも、第12次五カ年計画、第13次五カ年計画において関連の計画が策定されている」。

祝副所長によると、現在、中国は光電子のハイエンドマイクロチップの研究、開発ができる条件を基本的に整えている。自主開発、発展を進めるために、中国は08年に集積回路の製造装置、技術に焦点を絞った国家科学技術重大特定項目を実施し、9年間の取り組みを経て、集積回路の製造業の新体系構築に成功した。特定項目が実施される以前、中国の集積回路の最先端製品技術は130ナノメートル、研究開発されている技術は90ナノメートルだった。しかし9年で、中国の主流技術の水準は5プロセス向上し、55、40、28ナノメートルの研究開発に成功し、量産できるようになった。また、22、14ナノメートルの最先端技術研究開発でも大きな成果を上げ、14ナノメートルのエッチング装置、ナノ要素集合薄膜など、30種類以上のハイエンド装置や、ターゲット材、磨き液などの百種類以上の材料、製品の研究、開発に成功し、その性能は世界最先端となっている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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