日本のエリート官僚たちの威信はなぜ失墜したのか―英紙

Record China    2018年4月20日(金) 10時20分

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18日、観察者網は、英メディアの報道を引用し、日本の官僚たちの威信がなぜ失墜したかについて分析する記事を掲載した。資料写真。

2018年4月18日、観察者網は、英紙の報道を引用し、日本の官僚たちの威信がなぜ失墜したかについて分析する記事を掲載した。

観察者網は冒頭、「昨年の森友学園問題に関わる醜聞が続いているが、この背後には官僚の危機があり、エリート集団とみなされていた人々が恥を被る状況になっている」と指摘。英紙フィナンシャル・タイムズの16日付の、「エリート集団の官僚が失墜したのは、政府による改革で官僚の権力が低下したことによる連鎖反応だ」とする記事を掲載した。

記事は、「日本の高度経済成長期には官僚の権力と威信はとても強く、小説『官僚たちの夏』にあるように、国のために仕事をしているのであって、大臣のために仕事をしているのではないという勢いだった。政界、官界、財界という鉄のトライアングルの中でも、リードしているのが技術官僚で、エリート官僚が企業はどこに投資し、プロジェクトをどう配分するかを指示し、自民党のために各種声明の起草をしていた」と紹介した。

「しかし、ここ数カ月、官僚たちはセクハラ、国会でのうそ、首相を守るための文書偽造、イラク戦争時の日報が見つからないなどの問題で非難されている。特に森友学園問題では、財務省ですら国会に提出する文書を偽造した。こうした問題について、元官僚は『率直に言って、20年前と比べると官僚の質が大きく落ちている』と述べている。専門家は『官僚の質の低下は、日本政府のシステムの構造が大きく変化したことを反映しており、この変化によって官僚の権力が低下し、官邸の権力が相対的に強くなった』と分析している」と続けた。

さらに、「政策研究大学院大学教授の飯尾淳教授は『90年代に行われた選挙制度改革で、政治家と有権者との関係がより強くなり、その後、小泉元首相が農家などの既得権益集団を代表する族議員の勢力を弱めさせ、同時に外部からの政策顧問を導入することで、官僚の力を弱くした』と論じた。そして、2014年には安倍政権が、官邸主導人事となる内閣人事局を設置。出世を願う官僚たちは、大臣ではなく首相周辺のご機嫌を取るようになった。イエスマンの文化に加え、首相にすぐにでも好印象を与えたいという思いが、もともと首相から好ましく思われていなかった財務省が森友学園に対し格安で土地を売り、その後、隠ぺいしようとしたことの説明になるかもしれない」としている。

また、「『人手不足も官僚システムの混乱の要因かもしれない』と飯尾教授は指摘。『1968年に制定された法律で公務員数には制限があり、繁忙な仕事ゆえに記録がおろそかになり、公共の記録の文書システムすらない状況を作り出した』と分析し、文書を保存し管理するという習慣すらないことに問題があると論じた」と伝えた。(翻訳・編集/山中)

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